GPIFの年金運用は2015年度に約5兆円の損失見通し

国民年金・厚生年金を運用するGPIFが2015年度の株価下落によって、約5兆円の損失見通し。国民の大事なお金を失ったとマスコミに騒がれそうなニュースが出てきました。何もせず寝かしておくのも無駄ですし、国債を買うだけで運用利回りが低いとそれはそれで海外の年金運用に比べてと批判されてしまいます。短期成果だけでなく長期成果や結果を見て判断するようにしましょう。

野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算。


2015年度(のGPIFの運用損失額は5兆円

2008年のリーマンショック以降、順調に利益を出していた年金ですが、2015年度の世界的な株安・日本株下落で損失を出した模様。

GPIFの損失内訳(野村証券試算)

  • 外国株式:3.6兆円
  • 国内株式:3.5兆円
  • 外国債券:5千億円

GPIFの運用は、それ程、奇をてらったものではなく、インデックス運用に近いと想像できる。単純に世の中の株価が上昇すれば利益、下落すれば損失。その点では、これまでの株価上昇の流れで年金運用自体は増加してきたわけで、約5兆円の損失といってもリスクリターンの観点から金額だけを見て大騒ぎすべきではないはず。

平成26年度(2014年度)のGPIF運用は株価上昇で大きな収益を得られています。

  • 収益率:12.27%
  • 収益額:15兆2922億円
  • 運用資産額:137兆4769億円

出典:GPIF運用管理状況

去年の分と合わせれば、約10兆円の収益プラス。

問題は、2014年10月から運用割合を株式などのリスク資産を増やす方向に変化させたことと、日経平均株価がその水準まで下落してきたこと。今後、株価が回復していけば収益はプラスになるが、下落していくようだと更なる損失が生じることになります。

約百四十兆円に上る年金積立金を運用するGPIFは、積立金の利回りを改善するとの名目で一四年十月、運用基準を変更。国内債券の比率を60%から35%に下げ、株式投資(外国株を含む)を24%から50%に引き上げた。外国債券も15%に上げた。中日新聞

そこで、GPIFの運用が、世のファンドに比較して上手なのか下手なのかということ。下手なのであれば、それこそインデックス運用に終始すればOK(実際には運用額が巨大なので単純にインデックスファンドを買うだけというわけにはいかない)

●NYダウ月足チャート:DMMCFD

NYダウ推移

●日経平均株価月足チャート:DMMFCFD

日経株価推移

運用資産額137兆円をそのまま寝かしておくのはもったいなく、5%で回せれば、6兆から7兆のお金が得られます。運用担当者が責任を持って運用してくれることを期待。

運用資産の巨大さは世界有数のマネーですから、変な外資系金融機関の接待攻勢で運用先に失敗したり、情報漏えいや政府の意向が入り過ぎて、世界の投資家達のいいカモになるのは避けていただきたいと思う次第です。

GPIFの損失が選挙の争点として狙われる?

今夏の衆参同時選挙が噂される中、GPIFの運用実績を公表する日を例年より3週間程遅い7月29日とした。理由は明らかになっていませんが、こういうのは嫌ですね。政府の意向で株価を買い支えさせたられたり、選挙に勝つために損失情報を隠したりという方向に進むと運用は上手く行きません。

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