アトランテ創設:イタリアの不良債権支援基金に合意

イタリアの銀行監督当局と金融機関は、銀行の不良債権支援のために、総額50億ユーロ(57億ドル)の基金=アトランテ創設に合意。

イタリアの金融機関が抱える不良債権は膨大で、日経新聞によると2015年末時点で約3500億ユーロに及ぶ様子。約45兆5千億円、イタリアのGDPの約2割弱にも達するとのこと。

不良債権処理方法で欧州委員会と合意

イタリア政府は銀行の不良債権処理に向け、債権証券化の手法で欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会と合意した。証券化の際に政府保証をつけることで売却価格を引き上げ、銀行の損失を軽減する。貸し渋りを改善して経済回復につなげる意向だが、効果には懐疑的な見方もある。日経新聞

2016年3月9日にイタリア銀行(中銀)が公表した不良債権の金額は2020億5000万ユーロ。不良債権は計上の仕方次第で変化するため、正確な総額は把握しにくい。2000~3500億にも及ぶ巨額のお金が不良債権化しており、アトランテ創設で解決するかどうかは不透明。

不良債権支援のためにアトランテ創設

このアトランテは、欧州連合の法律違反を避けるため、民間の投資会社である【クアエスティオ・キャピタル・マネジメントSGR】が運用を担当。多くの金融機関がアトランテに参加予定。

※EU法では、国庫支援の提供を禁止。

イタリアの中堅銀行、バンカ・ポポラーレ・デレミリア・ロマーニャ・スカールのアレッサンドロ・バンデリ最高経営責任者(CEO)の話では、基金の規模は約50億ユーロ。

不良債権の処理において最後の買い手役となることを目的としている。

クアエスティオは「多くの機関投資家、銀行、保険会社、預託貸付公庫(CDP)などとの会合の結果、クアエスティオは『アトランテ・ファンド』を設立するための多くの出資者を集めた」と発表した。ロイター

ECBのマイナス金利・欧州の景気後退で、イタリアの銀行は不良債権に苦しんでいる。もし、不良債権処理に失敗すれば、ギリシャ危機や南欧危機の再来になりかねないところで、アトランテ創設に合意したことは危機回避に向けて前進したと言えます。

2016年1月18日には、モンテ・パスキ銀行をはじめとしたイタリアの銀行に経営危機の話が出ています。預金を引き出す預金者で小規模ながら取り付け騒ぎに発展したとのニュースも出てきます。

南欧の銀行が18日の市場で下落した理由は、不良債権規模への懸念があげられます。きっかけは、ユーロ圏内の信用の質に厳しい目を向ける欧州中央銀行(ECB)がモンテ・パスキやウニクレディトなどイタリアの銀行に対し、不良債権データの提出を要請したことです

ピクテ

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