炭素税と資源税:豪の新税

オーストラリア(豪)は、2012年7月1日から、炭素税と鉱物資源利用税の二つの新しい税金を導入します。2011年11月23日に法律は可決しており、豪政府の財政健全化を狙った税金です。

また、世界的に資源価格が上昇する中で、資源会社に集中する利益を社会全体に還元することも目的にしています。

炭素税とは

炭素税は、二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量が多い企業に課される税金です。

排出量の多い企業に1トン当たり23豪ドル(約1,800円)の負担を義務付けます。2年目以降は、価格が毎年2.5%上昇し、2015年7月から排出量取引制度で価格を市場で決めることになります。

外国為替のレート表オーストラリアドル/円のチャート

なお、欧州の排出量価格は、1トン当たり約8ユーロ(約800円)前後で推移していることから、オーストラリア企業の負担は高くなります。


資源税とは

資源税は、鉄鉱石と石炭事業に対して、年間7,500万豪ドル以上の超過利潤に対して課税となります。実質税率は、22.5%

前首相のラッド氏は、全ての資源事業の超過利潤に、約40%の税金をかけようとしたが、業界の猛反発を受けたことで、首相退任に追い込まれています。

オーストラリアの鉄鉱石大手会社「フォーテスキュー社」は、資源税を違憲として提訴しています。「企業間で平等ではない・州政府の鉱業促進策を制限」などと主張しています。

オーストラリア政府の見解としては、「鉱物資源は、一企業だけのものではなく国民全体のもの」としています。

炭素税と資源税の導入の影響

炭素税と資源税の導入により、オーストラリア政府の悪化している財政収支の改善を期待しています。

●オーストラリアの財政収支の推移(1980~2012年)です。

財政収支の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

歳入ー歳出の数字では、近年、赤字が続いています。

ただし、この二つの新税の導入により、オーストラリアの産業全体のコストが高くなる可能性があることから、競争力が落ちて企業全体の収益、さらには税収が落ちこむ可能性があります。

もし、炭素税・資源税の二つの新税での税収が伸び悩む・豪経済が落ち込むなどが起きれば、2013年の総選挙で与党の労働党の敗北~野党の保守連合(国民党・自由党)への政権交代が起こるかもしれません。
野党側は政権交代時には廃止する方向性とのこと

地中にある資源は、保有企業のものなのか・国民のものなのか・その中間点なのか、新税の行方が気になるところです。

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