2012年8月に法案成立。格差を拡大する消費税の問題点

2012年8月10日の参院本会議で、消費税増税を賛成多数で可決しました。

消費税増税法案の賛成・反対議員の一覧(選挙HP)

民主・自民・公明の三党の賛成多数により、成立し、現在の5%から2014年4月に8%、2015年10月に10%へと上がります。

そこで、日経新聞などを参考に消費税増税について気になる点をまとめました。増税のスケジュール

税率アップの根拠となる日本の債務(対GDP比)

日本の政府総債務残高(対GDP比)は、世界でも最悪の部類で、229%とギリシャの160%よりも悪いのです。

少子高齢化による社会保障費の増大が心配されており、消費税増税の根拠となっています。それでも日本が財政破綻しない理由の一つが、今回、法案成立したように消費税の増税余地があることでした。

政府総債務残高(対GDP比)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

財務省が、公表した2012年6月末の国の借金は、976兆1,853億円。そのため、海外のニュースでは、法案成立を前向きに評価しているケースが目立ちます。

世界の消費税率

財務省調査による世界各国の消費税率です。これだけを見ると日本の消費税は10%でもまだ低い方です。

・韓国:10%
・中国:17%
・ドイツ:19%
・フランス:19.6%
・英国:20%

ただし、国によって、食料品など生活必需品の税率を下げていることから単純に同列で比較はできません。

●イギリスの例

VAT(付加価値税/消費税に相当するもの)は20%。ただし、国内用燃料・電力、省エネルギー資材の導入、安全・保護用具(子供用カーチェア)などは5%。食料品(※アルコール飲料、アイスクリーム、調理済み食品、ミネラル水などは標準税率)はゼロ%。子供用衣料・靴、書籍、新聞、公共交通などもゼロ%。出典:gow

消費税成立と増税の歴史

×1979年:大平政権(自民):消費税導入を唱えるも自民党内の反対で撤回

×1987年:中曽根政権(自民):売上税法案を提出するも廃案

○1989年:竹下政権(自民):消費税導入3%

×1994年:細川政権(非自民8党連合):税率7%引き上げを検討も党内の反対で撤回

○1994年:村山政権(自社さ連立):消費税率を5%に引き上げる改正消費税法成立

○1997年:橋本政権(自民):消費税率5%に引き上げ

×2010年:菅政権(民主):消費税10%引き上げを検討

○2012年:野田政権(民主):消費税を8%→10%と二段階にわたり引き上げ

この経緯を見ると、どの政党が政権を担っても、消費税増税に進んでいることが分かります。

格差拡大する逆進性の問題

  • 逆進性:収入が低い人程、負担が大きい。
  • 不公平感:必需品に対する課税により貧富の差が大きくなる
  • 中堅層への負担:子育て・働き盛りのお金を使う層への負担が大きい
  • 痛税感の無さ:所得税等に比べて税率を上げやすい
  • 納税手続きの事務負担:税率アップ時の手続き。除外項目への手続き
  • インフレ:便乗値上げによる物価上昇

お金持ちも収入が少ない人も、同じように課税されるのが消費税の特徴です。低収入の人は、食品などの生活必需品に課税された場合に収入に対する負担率が大きくなり格差を助長する可能性がある。

増税で入るお金の使い道

消費税増税により、得られる税金を何に使うかです。

●4%分を現行制度の維持

・社会保障費の自然増などに対応(赤字国債分):7兆円
・年金財源:2.9兆円
・増税による支出増:0.8兆円

●1%分を充実策に

・子育て支援:0.7兆円
・年金制度の改善:0.6兆円
・医療・介護の充実:1.4兆円

景気条項による増税中止

2011〜2012年の平均GDP成長率が、名目3%程度、実質2%程度に達しない場合は、増税中止となる可能性があります。

あくまでも努力目標とのことで、2013年秋〜冬ごろに判断することになります。

●日本・カタール・米国の実質経済成長率の推移

実質経済成長率の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

●日本の実質経済成長率の推移

2010年:4.44%
2011年:-0.75%
2012年:2.04%(推計値)

消費税増税の最終判断時期となる2013年の秋が近づいてきました。

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