消費税10%増税への延期凍結の舞台が整い始める。安倍首相のブレーンを務める本田悦郎氏が指摘

2017年4月の消費税10%への増税が約1年後に迫りながら、なかなか景気回復してこない日本経済。安倍晋三首相のブレーンとして影響を持つ本田悦朗内閣官房参与が消費税増税を凍結すべきとの発言を行いました。

消費税増税は延期より凍結:本田悦朗内閣官房参与

理想論としては消費税を8%から7%に引き下げた上で、5~7兆円規模の補正予算を組むことが良いとの見解。5月開催の伊勢志摩サミットで、話し合った上で、消費税増税凍結を宣言するのが良いと突っ込んだ話をしています。

足元の日本経済で個人消費の回復が鈍い点を懸念。その理由として「2014年4月の8%への消費増税により、実質所得にマイナスの影響が非常に長く続くことが歴然としてきた」と指摘。対策として

1)消費再増税の凍結、

2)経済対策の実施を提唱した。

日銀は現時点で物価目標2%の達成時期を2017年度前半としているが「物価が2%で安定して推移するには、半年程度の経過が必要」とし、消費増税は17年度末以降への先送りが不可欠との認識を示した。本田悦郎氏ヤフーニュース

2016年3月7日の参院予算委員会では、安倍晋三首相は、消費税引き上げをリーマンショックや大震災などが生じない限り行うと発言。

一方、安倍首相の本音として、消費税を8%に引き上げてなければアベノミクスは上手く行っていたとの考えもあるようで、増税に否定的な考えも出てきています。物価目標8%や景気回復あってこその消費税増税だったのでしょう。7月には参議院選挙が予定されており、消費税増税が争点になった場合は、増税を示す政党は不利になる。

民主党の増子輝彦参院議員は、消費税増税派の様子。

民主党の増子参院議員は「わたしは総理、(消費税率を)上げるべきだと思っているんですよ。国民は望んでいないけども、総理の覚悟というものが必要なんですよ」と述べた。ヤフーFNN

3月7日には、一部官庁で増税延期や凍結時の課題を検討に入ったとニュースが流れており、増税するかしないかは、今後の景気を示す経済指標次第になっているのでしょう。2016年5月中旬に国内総生産(GDP)辺りが最終判断の時期。サミットとあわせてちょうど良い時期ですので、それまでは、予定通り増税・凍結や延期という話が世の中を賑わすと思います。

●日本の経済成長率推移

経済成長率の推移

出典:世界経済のネタ帳

格付け会社は、消費税10%増税延期・凍結に格付け見直しを示唆

格付け会社のフィッチは、10%への消費税増税を延期した場合には、政府債務拡大懸念から格付け判断にネガティブ。これは当たり前の話。格付けが下がれば国債利回り上昇がセオリーだが、マイナス金利の世界に通用する?

アジア・太平洋ソブリン部門責任者アンドリュー・コルクホーン氏が発言。フイッチの日本の長期外貨建て・自国通貨建て発行体デフォルト格付けはA。2015年4月27日に消費税増税を先送りした時に一段階引き下げをフィッチは実施。

2015年4月27日の記事

アジア・太平洋ソブリン部門責任者アンドリュー・コルクホーン氏は、Aについて低い水準と指摘、公的債務をめぐるぜい弱性が格付け見直しの一因と説明。「成長、金利変動への許容度が低い」と語った。ロイター

2016年3月7日の記事

コルクホーン氏は、「政策をアドバイスする立場にはないが、もし消費再増税が見送られ、それを埋め合わせするような財政上の措置が取られないならば、我々が現在想定しているよりも、財政赤字はより大きくなり、政府債務はより速いペースで拡大する。それは格付け判断にはネガティブに働くだろう」と話した。ロイター

主要国の国債格付けランキング:日本の格付け順位は13位

●日本の財政収支の推移:リーマンショック時からは漸減もマイナスが続く。プライマリーバランスをゼロにしないと政府債務は増加する一方で、格付け会社はここを気にする。

出典:世界経済のネタ帳財政収支

安倍は「本田という元財務官僚がいて、彼がデフレ脱却について結構いろいろアドバイスをくれるんだよ」と語っている。本田からのアドバイスの具体的な内容については、安倍は「マネタリーベースを上げて円高を克服すればデフレ脱却と税収増につながるというんだよね。本田悦朗氏と安倍晋三首相の関係:wiki

食料品等に対する軽減税率の導入問題:国税庁、軽減税率問題も大きな課題

21世紀の資本論で話題になったトマス・ピケティ氏は、消費税は格差を広げる税制度と分析。富の格差を縮小する効果はなく低所得層を困らせるだけ。

2016年の世界経済は、デフレ・景気低迷にあえいでおり、増税ムードにはありません。G20でも金融政策だけでなく財政政策を駆使して世界経済を支えるべきとの声明を出しており、政府債務の増加よりもデフレ・不景気に懸念が集まっています。その点からも、最終判断はまだにせよ、消費税増税延期や凍結の舞台は整っている状態です。

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