マネー・ショート 華麗なる大逆転は、マイケル・ルイスのノンフィクションを元にしたサブプライムローン危機を描いた映画

サブプライムローン危機からリーマンショックという金融危機・経済破綻は、21世紀最大の事件の一つ。そこを描いた映画【マネーショート 華麗なる大逆転】が2016年3月4日に日本公開!

映画ですから投資やお金にあまり興味がない、よくわからない方でも楽しめます。俳優もブラッド・ピットをはじめクリスチャン・ベール、ライアン・ゴズリングといった豪華なキャスト

マネー・ショート 華麗なる大逆転の原作はマイケル・ルイスの世紀の空売り

第88回アカデミー賞では、脚色賞を受賞するなど評価の高い作品です。

原作は、メジャーリーグをデータ重視に変革した「マネーボール」の著者マイケル・ルイスの経済ノンフィクション。「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」

誰でも安い金利で家を買えるをセールストークに生じたサブプライムローン。生じた債務は証券化されて世界中に販売されることに。この時に本来、一つ一つの債権を見ると、リスクが高く(サブプライム)格付けが低くなるはず。

ところが、債権はバラバラにされてから複数の債券に生まれ変わる過程でリスク分散がはかられ、高い格付けを得て販売されたことが問題になりました。

不動産価格が上昇し続けている限り、サブプライムローンで家を買った人も転売すればOK。ところが不動産価格が横這いもしくは下落し始めるととんでもないことに。

●SBI証券のNYダウ月足チャート:14000から8000割れにまで株価は暴落。その後の上昇もバブルの気配あり=現在。

NYダウの月足チャート

2016年3月3日

サブプライムローン問題に気づいても止められない

バブルの時って。それを止めるのは非常に難しい。映画でも金融トレーダーのマイケルが、サブプライムローンの債務不履行リスクに気づくも銀行や政府の金融監督機関からは門前払い。

何をバカなことを・・・という扱い。そこで、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)という一種の保険商品。債務不履行リスクを保証する保険を利用した金融ドラマです。原作が世紀の空売りとなっているように、会社倒産、ショートポジションを活用して大儲けする物語。

よくぞ、大衆向けにCDSの話が出来るものと感心します。世界最大級の保険会社「AIG」が破綻する要因になった商品ですからね。

当時、AIGがCDSで支払いを保証していた額は自己資本の5倍以上の4400億ドルにも達していた。ニューズウィーク

映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』 予告編 90秒

リーマンショックはなぜ起きたのか?サブプライムローンとは、CDSとは、難しくなじみのない言葉を聞いても頭に入らないこともありますね。

マネーショートで、当時の米国と金融機関の姿を見ておくと、金融商品への投資やお金の運用に役立ちますよ。面白いと思った方は、マイケル・ルイス氏の原作。「世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち」を読んでみると更に深く当時の金融界を理解できることでしょう。

監督のアダム・マッケイはコメディ映画で知られるが、2010年のアクションコメディー映画「アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!」(原題は「The Other Guys」)で金融詐欺を扱ったことがきっかけとなって金融に関心を持つようになり、ルイスの著作にたどり着いた。「マネー・ショート」の監督を務めることが決まると、マッケイは金融危機に関する本や記事を読みあさり、債券取引会社も訪問した。マッケイ監督は金融について「プロや専門家と一般の人々の間に大きな溝があると思う」と話す。「一般の人々は自分の頭が悪いか、銀行の仕事が退屈だと考えている」。ウォールストリートジャーナル

金融バブルがなぜ起きたのかまでは踏み込んでいないとウォールストリートジャーナルの評では書かれています。そのテーマは、非常に複雑で、今でも完全な解決策がありませんので、そこまでを一本の映画に求めるのは酷でしょうね。その辺はウォールストリートジャーナルも理解しており、アダム・マッケイ監督が語る文章で締めています。

この映画が経済や金融、バブル崩壊、規制については話し合うきっかけとなって、金融というテーマに少しでもおじけづかなくなるとうれしい」は語っている。

お金や経済の基礎が分かれば、金融の話を避ける必要が無くなります。

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