ギリシャがもしユーロ離脱を決めたらそのシナリオは?

ギリシャの2012年6月17日の総選挙が世界中の注目を集めています。

場合によっては、ギリシャのユーロ離脱の可能性が取り上げられており予断は許さない状況です。

ブルームバーグに、もし離脱する場合、ギリシャはどのようにしてユーロから離脱するのかという記事がありましたので、引用して残しておきます。

引用が長くなりますがご容赦ください。

ギリシャ離脱のシナリオ

資本統制導入

新政府は市民が預金を引き出すのを止めるため資本統制を敷くかもしれないと、英国立経済社会研究所(NIESR)のエコノミスト、ドーン・ホーランド氏は言う。「これは非常に迅速に行う必要がある」と同氏は述べた。

ギリシャは離脱を決めたならば、その条件を交渉するためユーロ圏財務相と首脳会合の開催を求める必要がある。このような準備はニューヨークの金曜午後5時ごろに債券市場が閉まったらすぐに開始する。フランクフルトとブリュッセルでは午後11時になる。アテネは深夜。

財務相らは土曜に会合し、日曜の首脳会議を準備。首脳会議がギリシャ離脱計画を完成させるだろうとブルゼスキ氏は予想している。ギリシャは、IMFからの支援を求める間のつなぎ融資を欧州から得られるかもしれない。「欧州は野良犬のようにギリシャを追い出すことはせず、幾つか骨を投げ与えるだろう」と同氏は述べた。

政府当局者がブリュッセルで交渉している間にアテネでは、議会が土曜に新通貨発行の計画を発表するかもしれない。新通貨の名前は恐らくユーロ以前と同じドラクマになるだろう。銀行はこの間に、預金や賃金などを含め全ての資産と債務を、決定された為替レートに基づいて新通貨に換算することを指示される。ロジャー・ブートル氏らキャピタル・エコノミクスのエコノミストらは、換算レートは等価にするべきだとの論文を発表している。

国境封鎖

政府は新しい紙幣とコインも注文しなければならない。英紙タイムズは18日、150以上の国の紙幣の印刷を請け負う英デ・ラ・ルー社が既にドラクマ再導入に向けて準備していると報じた。新紙幣とコインができるまではユーロが使われるかもしれないが、市民はユーロの温存を図り振込みやクレジット、デビットカードなどでの支払いを増やすだろう。

政府はまた、土曜早朝から軍を配備して国境を封鎖。紙幣ができるまでの間、ユーロ札にドラクマのスタンプを押すという暫定策を実施する。

また、ドイツのフレンスブルク大学の欧州研究科責任者のシャーロット・ゲータナイズ氏は、ギリシャが2800億ユーロの債務について直ちにデフォルト宣言する可能性が高いとみている。「新通貨の価値低下によって巨額の対外赤字が生じるだろう。従ってIMFに頼るしかない」と同氏は電話で述べた。

IMFはできる限り厳しい条件を課そうとし、ギリシャは歳出削減をめぐる譲歩を引き出そうとする中で、IMFとの交渉は週末いっぱい続くだろう。

暴動の恐れ

ユーロ離脱という歴史的な大事業はギリシャ新政権の手に余る公算だ。ウニクレディトのチーフエコノミスト、エリック・ニールセン氏は、ギリシャ政府が「秩序ある退出を演出できるとは全く思わない」として、「法律を導入することすらできない国が、新通貨の印刷を手配し銀行をコントロールし資本フローを制御、しかも秩序立ってできることなどあり得ない」と述べた。

ギリシャがユーロ離脱を準備しているという情報が漏れれば、ギリシャ市民は街頭に繰り出してくるだろう。ノムラ・インターナショナルのストラテジスト、レフテリス・ファルマキス氏は「暴動が起こらないと考える理由がない」と話す。

そして欧州で日曜が終わりかけ、米東海岸が午後になるころ、ウェリントンでは月曜の午前7時になり、債券・為替市場が開く。金融顧問グループ、トリプルTコンサルティングのアナリスト、ショーン・キーン氏は「ニュージーランド市場が開く瞬間を、全世界がオンラインで見つめるだろう」と話した。

出典:ブルームバーグ

ギリシャのユーロ離脱時の問題

●ギリシャは新通貨に切り替えることになる。

新通貨の信頼性は?

●ギリシャ国内のお金をユーロから新通貨に切り替えられるのか?

国民は納得する?

●ユーロ離脱が真実になりつつある段階

国民はユーロを引出して逃げ出さないか?

●ハイパーインフレ

新通貨が流通した場合、価値を大きく失ってインフレにならないか?

●他国

他国は、ユーロ離脱および新通貨発行を許すのか?

●物理的な問題

物理的に紙幣や硬貨の用意。その他の社会活動への用意はできるのか?

ギリシャ国民の世論調査では、ユーロ残留を支持

 ギリシャ紙トビマ掲載の世論調査によると、78%は同国のユーロ圏残留を支持。ドラクマ復帰が望ましいとの回答は12.9%だった。

また、10人中7人は連立政権の樹立のため政党が譲歩するよう望んでおり、再選挙に賛成との回答は22.9%。世論調査によれば、再選挙が実施された場合、急進左派連合(SYRIZA)の支持率が20.5%で第1党となる見通し。

ブルームバーグ

ギリシャがユーロを離脱した場合の問題も非常に大きく、そう簡単には離脱できません。国民投票にもそれが出ています。

ユーロを離脱するのではなく、ユーロ共同債のような形でさらに統合・救済を推し進めるのかどうか気になるところです。

預金の流出はすでに起こっている問題です。

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