金融界への信頼を失わせたLIBOR(ロンドン銀行間取引金利)の英銀不正操作事件

金融取引において、金利の基準となるロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題が2012年に起きました。

LIBORは、「London Inter-Bank Offered Rate」の略で、ライボーと呼びます。

LIBOR(ライボー)とは

金利の基準となる代表的な指標の一つです。

その名の通り、ロンドンの銀行間(インターバンク)で、主要銀行が取引した金利を英国銀行協会(BBA)に申告し、毎営業日、通貨ごとに公表しています。

金融の中心地であるロンドンの金利が、信頼&公正な数値として、英国だけでなく、世界中の基準金利として利用されています。

今回の不正操作事件は、金融業で一番大切な「信頼・公正」を裏切る事件だからこそ重要なのです。

住宅ローン・生命保険・企業の社債などで、このLIBOR(ライボー)を基準として、金利を上げ下げしたり、デリバティブや融資など様々な金利計算で基準金利として利用しています。

LIBORの過去レート

英国銀行協会の英ポンド建てLIBORの計算

・大手16行の申告

・最高金利、最低金利の4行ずつを除いた8行の平均で算出

英バークレイズ銀行のLIBOR不正操作

・2012年2月、スイス競争当局が、LIBOR・TIBOR不正操作の疑いで大手12行を調査との報道

・2012年3月、LIBOR・TIBORに関して、銀行間金利の不正操作疑惑を欧州委員会が調査との報道

金利を不正操作

現在、判明している内容・噂は以下の通りです。

・2005年以降、不正操作ははじまった。

・バークレイズ銀行では、意図的に高めの金利を申告し、LIBOR金利を高くして、金融商品での利益を稼いでいた。

・LIBORが使われる金融取引は、360兆ドルと推定。

・金融危機が起きた2008年以降は、バークレイズ銀行の信用を維持するために、低めの金利を申告して、高い金利を払わないと資金調達できないことを隠していた。

・イングランド銀行自身も不正に関与もしくは知っていた。

・バークレイズ銀行は、不正を認めて米英の金融当局に2億9千万ポンドの課徴金を支払った。

・バークレイズ銀行のCEO、ロバート・ダイヤモンド氏は、「LIBORに問題があることを誰も知らなかったとは言えない。」と証言

・1行単独では、金利操作は難しく、英RBS、米シティなど大手金融機関の多数が関わっていた疑いが強い。

・不正の中心は、取引量の多い、ユーロ/ドルで米国司法省と英国金融サービス庁が協力して操作を行っている。

バークレイズ1行だけの問題ではなく、疑いが広がっていることから、「マッシュルーム・スキャンダル」と米紙が呼んでいるとのこと。

金利の計算方法から見ても一行だけでの操作は不可能で、国際的な大手金融機関の多数が関与していたことが予測できます。

TIBOR(タイボー)不正操作事件

ロンドンは、ライボーですが、東京は、LをTに変えたTIBOR(タイボー)です。

このTIBORでは、2011年12月に、UBSとシティバンクの日本法人に対して、円の基準金利を不正操作して収益を上げようとしたとして、金融庁が「一部業務の営業停止」処分を行っています。このときも複数の銀行に不正操作を持ちかけていたとのことです。

世界が一体となって不正操作

大手外資系銀行においては、東京・ロンドン・NY・香港などのトレーダーは、自行内の他部署よりも他銀行のトレーダーの方が仲が良かったりしますので、東京・ロンドンなどが一体となって不正を働いていた可能性があります。

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