米国熱波による干ばつの被害が拡大:穀物不作による食糧不足の2012年

米国の熱波による干ばつで、トウモロコシや大豆の収穫が減りそうな状況は変わりません。シカゴ大豆の11月限は、1732.50セントと過去最高値を更新しています。

・現地調査による作柄報告が前年実績を大きく下回ったこと。
・この価格帯でも需要が減らないこと
・大豆の主要輸出国のブラジルとアルゼンチンが輸入量を引き上げる可能性

により、買いが集まったとのことで、この秋に向けて収穫予想~実際の収穫まで眼を離せない状況です。

米国の熱波による干ばつ状況地図

●米国の干ばつ状況モニター

基本的に色が濃いところほど、干ばつの被害が大きいところです。D0~D4までレベルがあります。

米国の作柄状況

以前に米国熱波による穀物不足の記事を書いてから状況は変わりません。この米国干ばつ状況のマップ(地図)を見ると真っ赤です。

シカゴコーン(トウモロコシ)とシカゴ大豆のチャート

ドットコモディティ株式会社(商品先物取引会社大手)のチャートを利用しました。

ドットコモディティ

●シカゴコーンの週足

シカゴコーンの週足チャート

シカゴコーンは、2012年の6月から急騰しはじめています。

●シカゴ大豆の週足

シカゴ大豆の週足

シカゴ大豆も同じく、2012年の6月に急騰しています。

大豆やトウモロコシの不作は、世界の食料供給に大きなダメージを与えます。

大豆とトウモロコシの主な用途

●大豆の用途

大豆の用途は大豆油、大豆粕、食用の3つに分かれます。

大豆粕はそのほとんどが配合飼料の材料として使用され、大豆油は植物油の中ではもっとも多く生産され、主に食用油として使用されています。また、近年では再生可能燃料であるバイオディーゼル用としても注目が集まっています。

●トウモロコシの用途

米国のトウモロコシ需要の中心は飼料用で全体の6割前後を占めます。こ原料として使用される量はトウモロコシが圧倒的に多いため、完全な代替は望めません。

近年、エタノール需要の高まりにより、エタノール用を含む加工用・工業用需要は輸出用需要を大きく上回り、全体の37.8%を占めます(2006年)。加工用・工業用にはコーンスターチ、アルコール(工業用のエタノールと、割合は少ないがバーボンの原料として)、異性化糖、種子用などに使われます。出典:日本ユニコム

このため、米国の熱波・干ばつにより、大豆・トウモロコシの不作は、世界全体の食料不足に直結します。 私は、大豆やトウモロコシをあまり食べないからという人も形を変えた大豆やトウモロコシを食べています。

世界的に穀物不作による食糧不足の可能性

 ロシア農業省が26日、2012年のロシアの穀物収穫が干ばつで大損害を受けつつあると発表した。最初に収穫が完了した最南部の重要農業地域であるクラスノダール地方の収穫量は昨年のおよそ3分の1ほどという(昨年の900万トンに対して500万トンという報道もある。いずれにせよ、大幅減収だ)。世界食糧日誌

世界の食料輸出は、米国・南米が大きく占めており、各国は、自国で生産して足りない分を輸入しています。このバランスが2012年は崩れる可能性があります。

●主要農産物の輸出国別割合(出典:農水省)2005年

主要農産物の輸出国割合

国際通貨基金(IMF)や世界銀行など国際金融機関は、食料価格上昇に備えるよう各国に忠告しているが、これまでのところ2007─08年のような広範に及ぶ危機的な価格高騰の兆しは出ていない。 米国で発生した約半世紀ぶりの大規模な干ばつや黒海沿岸の穀倉地帯の不作により、トウモロコシ、小麦、大豆の価格は上昇したが、アジアやアフリカの一部で主食となっているコメにはまだ影響が及んでいない。ロイター

現在のところ、コメ価格への影響が少ないことから、世界的な穀物不足には至っていませんが、今後の価格動向を見ておくことが大切ですね。

FAOの食料価格指数を見ましょう。

国連食糧農業機関(FAO)が出すFAO食料価格指数も米国大豆価格やトウモロコシ価格とともに見ておきたい指標です。2002年~2004年=100として、国際取引価格から算出される指数です。

こちらの指数が上昇していけば、かなり危うい状況だということです。

FAO食料価格指数

FAO食料価格指数(FAO Food Price Index)

穀物生産5千万トン減少

FAOが9月6日に発表した穀物生産量は5千万トン減少するとのこと。(2012年9月7日追記)

●穀物生産量:22億9,480万トン(前年より5,220万トン減少)

・小麦生産量:6億6,330万トン(前年より3,580万トン減少)

・とうもろこし(粗粒穀物):11億4,830万トン(前年より1,740万トン減少)

・コメ:4億8,330万トン(100万トン増加)

●年末の穀物在庫:5億310万トン(1,880万トン減少)

米国の干ばつ、ロシア・ウクライナの天候不順は要因

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