FOMCの金融緩和は失業率およびインフレ率の数値を目標に!
2012年12月12日、米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和継続方針を表明しました。
FOMCでの主要な内容
・フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を予想通りゼロ―0.25%に据え置き
・9月に打ち出した月額400億ドルのモーゲージ担保証券(MBS)買い入れを継続
・年末に期限切れを迎えるツイストオペに代わり、月額450億ドルの国債を買い入れる方針
QE3の内容について
FRBが量的緩和を止めるタイミング
●以前:量的緩和策を続けるのは2015年までという期限にしていました。
●今回:失業率が6.5%以下およびインフレ率2.5%以下の数値を目標とした。
12月7日の雇用統計での失業率は7.7%と改善傾向にあり、米国のハリケーン「サンディ」の影響も予想より軽微でした。ただし、職探しをあきらめる動きも多く、その分、失業率の改善に繋がっているとの見方もあります。
FRB議長「バーナンキ氏」の声明
景気支援に向け、ここ数年でかなりの策を導入し、また新たな手法を見いだすことはいつでも可能だ。ただ金利がゼロに近く、(FRBの)バランスシートも既に膨らんでおり、追加緩和策を行う能力は無制限ではない」 出典:ロイター
また、財政の崖の影響を金融政策で相殺することはできないとも述べています。
日本とアメリカのインフレ率と失業率推移
●日本とアメリカのインフレ率推移(年平均値)の推移グラフ
インフレ率は、消費者物価指数の対前年上昇率(%):日本とアメリカのインフレ率(年平均値)
2010 | 2011 | 2012 | |
アメリカ | 1.64 | 3.14 | 1.97 |
日本 | -0.72 | -0.29 | 0.04 |
●日本とアメリカの失業率推移グラフ
日本とアメリカの失業率推移 (%)
2010 | 2011 | 2012 | |
アメリカ | 9.63 | 8.95 | 8.23 |
日本 | 5.03 | 4.57 | 4.51 |
アメリカのマネタリーベース推移
量的緩和(QE)の影響でマネタリーベースを急拡大しています。不景気を食い止めるためにお金をばらまいて失業率を改善しながら、インフレにならないようにコントロールしていくことになります。
主要国のマネタリーベース
アメリカだけでなく、日本を除く世界中で、金融緩和が行われています。自国通貨を安くするという意味で通貨安競争とも言われます。
今後の金融マーケットの動きに注目です。