日本のエネルギー戦略は、米国からのシェールガス輸入へと変化する可能性

米国でのシェール革命による日本のエネルギー戦略や経済はどのような影響を受けるのでしょうか。

日本は、年間1200万トンの液化石油ガス(LPG)そして9000万トン(LNG)の液化天然ガスを輸入しています。

液化石油ガス(LPG):プロパン・ブタンを主成分とし圧縮することで常温液化できるガス燃料。一般的にプロパンガスとも呼ばれる。

液化天然ガス(LNG):主成分はメタン。気体である天然ガスを-162℃以下に冷却して液体にしたもの。

液化石油ガスは、9割を中東からの輸入に依存し、価格も生産国に決定権を握られている。

液化天然ガスは、オーストラリア・マレーシア・カタールなど地域は分散しているものの高い価格での購入となっている。

天然ガス輸入価格の推移

シェール革命の効果

米国でシェールガスが採掘されて輸出に回ると、日本もそのガスを購入できる可能性があります。一つその例をあげておきます。

東ガス・住友商、米社とシェールガス輸入で合意

価格は米天然ガス市場価格に連動する。現在は100万BTU(英国熱量単位)当たり約4ドルで推移しており、日本に輸入する場合は、米市場価格に液化コストや輸送コストが上乗せされる。日本を含む東アジアのLNGスポット価格は16ドル程度で推移。ロイター2013年4月1日

価格面・政治経済の安定といった供給不安の面からいっても中東に依存するより米国から購入する方が安全です。万一の事態や価格競争力の点からも中東と米国の双方から輸入できるのは有利です。

エネルギー輸入コストの低下で貿易赤字解消

日本は、東日本大震災で原発が使えなくなったために、ガス・石油を大量に輸入しているために貿易赤字が膨らんでいます。

2013年度の赤字は約6.8兆円に達すると言われています。

●日本の貿易収支の推移:(1985~2011年度)

貿易収支の推移 - 日本経済のネタ帳

●日本の原油輸入額の推移(1980~2012年)

原油輸入額の推移 - 世界経済のネタ帳

なぜ、あれだけの災害を引き起こした原発の再稼働を産業界が望むかの答えは、

原油・ガス価格の高止まりと原発禁止にすることで代替手段がなくなるために高価格で資源を買わされることへの危機感にあります。

米国でのシェール革命の成功は、日本に好影響をもたらす可能性があるのです。

シェール革命のリスク

いいところばかりあるように見えるシェール革命ですがリスクはないのでしょうか?

環境破壊リスク:シェール革命の基本でご紹介したように地中からガスを噴出させることで地殻バランスを崩す・環境破壊につながるリスクがあります。

中東を誰が守る:米国にとって中東の石油の必要性が薄れるとお金と命をかけて中東地域を守る必然性も薄れます。その際は、中東の軍事力削減や日本に負担増加を求める可能性があります。

天然ガス価格の下落:天然ガスや原油価格が下落するとシェールガスの生産や輸送コストにお金をかける必要がなくなります。割安だから開発が進められるわけで割高になると革命はストップしてしまいます。

米国のシェールガス会社GMXが倒産(連邦破産法第11条の適用申請)

資源価格の下落による争い:中東の産油国やロシアなどの資源国にとって、安いエネルギーが市場に溢れることは悪夢です。政情不安な国も多いため、エネルギー価格の下落が戦争や紛争につながる可能性があります。

中国・ロシア・米国間の問題:天然ガス・シェールガスの産出国である米国・中国・ロシア、これら各国に対して日本はどういう顔を見せるのか?もっといえばどこの国から買うかで経済・政治的繋がりが変化します。もし、ロシアや中国からパイプラインを引いて購入するとなると大プロジェクトとなる上に、そうカンタンに他国に切り替えることができなくなります。

エネルギーを特定の国に依存することは、その国とのお金・人的つながりが強まることになります。

シェール革命の基本

シェール革命で米国の赤字が消える

オランダ病と資源の呪い!

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