スタジアム建設やスポーツイベントに経済効果がない?

アメリカの経済教授「ロブ・バーデ氏」は、スタジアム建設が利益を生まないとの説を展開し、その説への賛同者が増えています。

スタジアム建設やW杯・五輪が経済効果を生まない

1987年に発表した論文では、「スポーツとスタジアムが市の財政にプラスの影響をほとんどもたらさない。~むしろ収入減につながる可能性がある」と公表しています。出典:ジャパンはなぜ負けるのか?

サイモン・クーパー&ステファン・シマンスキーの共著:ジャパンはなぜ負けるのか?にこの辺りのことが書かれています。

「ジャパン」はなぜ負けるのか─経済学が解明するサッカーの不条理

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スタジアムが利益を生まない理由

・スタジアムは、週に数時間しか使われない

・オフシーズンには、ほとんど使われない

・使われない日はスタジアムの周りはさびしく、人は住みたがらない

・他の都市からスタジアムに来る人も、それほどお金を落とさない

・試合を見に来ても、ホットドッグとビール位を買って試合を見て帰る

・ショッピングモールやシネマコンプレックスの方が消費量は多い。

1996年の欧州選手権で、大会がイギリスにもたらしたお金は、1億五千万ドル、ところが、1996年の一年間に外国人観光客は、200億ドルをイギリスで使った。

もちろん、スタジアム建設費用やインフラ整備で使われるお金の経済効果は大きいのですが、長期的な効果は疑問視されています。

そして、スタジアムやインフラ整備には税金が投入されるため、ロブ・バーデ氏は、研究で市の財政にプラスどころかマイナスの可能性があると指摘しているわけです。

日韓ワールドカップで建設された埼玉スタジアム

実際、2002年ワールドカップで、埼玉県にサッカー専用スタジアム「埼玉スタジアム2002」が建設され10年が経過しました。

Jリーグでも他クラブより高い人気と収益力を持つ浦和レッズが本拠地として利用していますが、スタジアム周りには、ほとんど店がありません。

●下記は、埼玉スタジアム周辺の地図です。(グーグルマップ)

スタジアム周辺に、全くお店がなく、少し離れた最寄駅の「浦和美園」周辺に少しだけ店があることが見ると分かります。


大きな地図で見る

もし、長期的に、大きな経済効果があるのなら、スタジアム周辺は、店や住宅が立ち並んでいるはずですね。 Jリーグで一番人気の浦和レッズですらそうなのです。

サッカーを見に行ったファンは、サッカー関連のグッズを多少買うにしても、ほとんどが、試合を見てまっすぐ帰るか、ご飯や呑みに行く程度です。 メインの試合観戦だけで十分、満足しているからです。

五輪やワールドカップでの巨大な経済効果は、ちょっと割り引いて考えた方がよさそうです。もちろん、主催者にはスポンサー代やテレビ放映料などが入りますし、インフラ建設費用についての経済効果はあります。

★過去のオリンピック会場を撮影した写真を見ると悲惨・・・サラエボ・アテネ、古くはベルリンから新しくは北京・・・全てが廃墟になっているわけではなく活用されている施設も存在しますがこれはひどい。実際の写真は「THE NEW CLASSIC様」のサイトでご覧ください。

スタジアム建設の経済効果

スタジアム周辺への経済効果は、イマイチ疑問符がつくところですが、綺麗で大きなスタジアムは集客に効果があります。

イタリア、セリエAのサッカークラブ「ユベントス」は、スタジアムを新しくしたことで、2011-12シーズンが、昨季に比べて66.7%増の36,630人を記録しています。

浦和レッズ監督を務めたドイツ人「フォルカー・フィンケ氏」は、「足より石にお金をかけろ」との名言を残し、選手よりもクラブ施設やスタジアムに優先してお金を回すように話しています。

実際、スタジアムを新しくしたドイツブンデスリーガの観客動員は、世界ナンバーワンとなり、選手にお金をかけてスタジアムが老朽しているイタリアセリエAの観客動員は減っています。

サッカーや野球のクラブチームにとってスタジアムの価値は大きいといえるでしょう。

五輪やワールドカップの幸福感

経済的には、プラスの利益にならない五輪やワールドカップ招致に各国や都市が必死になるのは、幸福をもたらすからだといいます。

お金的には、短期的な利益であっても、五輪やワールドカップを開催した・生で見たという出来事は、強烈な想い出として残ります。

それが、人々に幸福と名誉をもたらす効果があるために、招致活動が激烈を極めます。

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