生命保険は、主契約と特約の二つから成り立っている。定期や終身保険の意味を理解しよう
生命保険は、「主契約」+「特約」の二つから成り立っています。主契約が生命保険のメインとなる保障で、主契約のみで保険契約ができます。
「特約」とは主契約に付加する契約で、保障内容を充実させようという目的で付けます。この特約のみでの保険契約はできず、また、複数の特約を主契約に付加して契約することができます。
この特約部分が分かりにくいのは、定期保険特約付終身保険に代表される主保険と特約の区別がつきにくい保険があり、さらに特約を増やしていけば支払う保険料が多くなるもののどのリスクをカバーしているかが分からなくなるからです。
定期保険特約付き終身保険
終身保険が300万円、定期保険が3,000万円という終身部分が小さく定期部分が大きい保険に入っている方が多くいます。この場合、終身が主保険で定期部分が特約です。そして特約部分は10年や20年ごとに更新が必要なタイプが多く、更新ごとに保険料が上がってしまうのです。
保険の種類 | 概要 | 保険期間 | 満期返戻金 | 中途解約の解約返戻金 | 保険料 |
定期保険 | 決められた期間内に被保険者が死亡時、保険金が支払われる。 掛け捨てで貯蓄性はない |
契約期間中のみ | なし | ほとんどなし | 安い |
終身保険 | 被保険者が死亡した時に保険金が支払われる。一生涯続くため、貯蓄性がある | 一生涯 | なし | あり | 高い |
養老保険 | 一定期間内に被保険者が死亡した時には死亡保険金、満期まで生存した時には死亡保険金と同額の満期保険金が支払われる。 貯蓄性は高い |
契約期間中のみ | あり | あり | 3つの中で 最も高い |
主契約の種類
・定期保険
一定の保険期間(保険料払込期間)に限り、死亡保障があるタイプの保険です。
安い保険料で大きな死亡保険金が保障される生命保険です。
※若いほど、死亡リスクが低いため、保険期間が過ぎて更新すると通常、保険料が高くなります
※満期保険金がなく、死亡保険金が受け取れるのも保険期間内であるため、掛け捨てタイプの保険となります。その分、終身保険に比べて保険料が安く済みます。
・終身保険
名前の通り、一生涯、保障が続く保険です。貯蓄性を持つこと・一生涯続くことから、定期保険などの掛け捨て保険に比べると保険料が高くなります。
※死亡により、必ず保険金が受け取れるので、貯蓄性が高い保険です。
・養老保険
保険期間(保険料払込期間)は一定で、その間に死亡したときには死亡保険金が、満期時に被保険者が生存していた場合には、満期保険金が受け取れる保険です。死亡保険金と満期保険金は同額です。もちろん定期保険に比べて保険料は高くなります。
※死亡保険金、または満期保険金を受け取れるので、貯蓄性が高い保険です。
・医療保険
病気や怪我での入院・手術を受けたときなどに、保険金を受け取れる保険です。
2012年現在、保険会社各社が力を入れている保険です。
※定期タイプと終身タイプがあります。
・ガン保険
ガンにより入院や所定の手術を受けたときに、保険金が受け取れます。
ガンと診断されると保険金や療養給付金が受け取れるタイプのガン保険もあります。
※定期タイプと終身タイプがあります。
※ガンと認められる対象は、約款に定められ、ガンの種類によっては、給付金が受けられない場合もあり注意が必要です。
・三大疾病保障保険
ガン、急性心筋梗塞、脳卒中の三大疾病を対象とした保険で、三大疾病により、定められた条件の状態になると、生前に(死亡前に)死亡保険金と同額の三大疾病保険金が受け取れます。三大疾病保険金を受け取った時点で、契約は消滅します。死亡したときは、死亡保険金が受け取れます。
※定期タイプと終身タイプがあります。
※保険金を受け取れる三大疾病の状態については、約款の確認が必要です。
・収入保障保険
死亡したときに、契約時に定めた満期まで年金が受け取れます。まとめて保険金を受け取るより年金として、受け取りたいニーズを満たす保険です。
・変額保険
株式や債券等を中心に資産運用を行い、運用の成績により保険金や解約返戻金が増減する保険です。
※変額保険は保険としては、ハイリスク・ハイリターン型です。
・個人年金保険
契約時に定めた年齢から、一定期間(5年、10年、終身)にわたって年金を受け取れる保険です。※予定利率が一定の、将来受け取る年金額が予め確定している定額個人年金保険と、運用実績により将来受け取る年金、死亡給付金、解約返戻金等が変動する変額個人年金保険があります。
※変額個人年金保険は保険としては、ハイリスク・ハイリターン型です。