経済成長と負債増大の金融システムか利子を取らないシステムへのチェンジ!
ジョシュア・ファーリーの考えるお金に関する話。彼は、2010年にエコロジー経済学をハーマン・デイリーと共に執筆。アラン・ワイズマンの著書「破滅へのカウントダウン」でその一端が紹介されています。
ビットコインをはじめとする仮想通貨が登場している今、通貨発行権・お金の意味を考え直す意味があるかもしれませんね。
ファーリー博士:銀行から政府にお金の権利を取り戻せ
ファーリー博士は、お金を作り出しているのが銀行になり、コンピューターの画面上で増えていく仮想マネーだと主張しています。
米国を例にとると紙幣としてのお金は8000億ドル。そして、これはお金のごく一部で、残りは銀行が魔法のように生み出すお金。顧客全員が同時に貯金を全額引き出すことはしないという前提で、預金額の1/5程度を保有しているだけで良いシステムになっています。
その結果、経済は成長を続けることができます。銀行は貸し出すことでお金を生み出しそれに利子を付けます。さらに、稼いだ利子の4/5がまた貸し出される。現在、国のお金のほとんどは負債で、米国だけで利子を生じる負債が50兆ドルもある。
実際、流通している紙幣や硬貨は約5兆ドルに対して、負債は約200兆ドル、デリバティブ市場は1200兆ドルとも言われる凄まじい金額。
そのため、現在の金融システムは、経済拡大を前提にしたシステム。もし、経済が縮小をはじめると負債を返済することができなくなり、あちこちで破たんが生じます。それがサブプライムローン危機から始まる世界経済危機。
ファーリー博士は、これをチェーンレターと称します。
銀行が債務を回収するよりも遅いペースで金を貸すようになれば、経済における金の量は減り、負債の返済が不可能になります。~現行の金融システムではそうならないために果てしなく成長を続けるしか手がありません。だから、どうしても変えなければいけないものは金融システムの性質全体なのです。滅亡へのカウントダウン
増え続けるお金と金融システムの解決策
その解決策は、金を作る権利を政府に戻し、政府は金を使って公共の善を生み出す。そして、金利はゼロ。金利をゼロにすれば返済した時点でお金は消えてなくなり、マネーが増加していくこともなくなります。
政府が通貨の権利を取り戻し、利子をゼロにすることで困るのは、裕福な人々や金融機関。お金を持っているだけで生じる利子という所得が奪われることになりますからね。
ほぼ不可能?
書籍でも書かれているにように、これを実現することはほぼ不可能でしょう。ただでさえ、国家の力が弱まり多国籍の大企業の力が強まっている現在、利子という最大の既得権益を手放すはずがありません。利子を取らなかったキリスト教が中世に利子の力に屈したように、イスラム教の世界でも利子およびそれに似たシステムが増加しています。(イスラム金融)
ただし、増え続ける人口と経済成長で、地球環境が大きくダメージを受けているのも事実。二酸化炭素による地球温暖化の根本理由は人口爆発。私が小学生の頃に習った地球の人口は約46億人でした。ところが2017年現在は約70億人まで増加。宇宙飛行士のガガーリンが、宇宙から「地球は青かった」という名言を残したのが1961年。ところが、現在の地球をグーグルアースで見ると茶色の部分が増えています。将来、地球は茶色かったと言う時が来る可能性すらあります。
北アフリカ・中東・カスピ海周辺からインド・パキスタン・中国へとつながる巨大な茶色の回廊:ここを見る限り地球は茶色いと言わざるを得ません。難民問題の要因の一つが、茶色く緑と水のない大地で養える人口を超えてしまったことです。
出典:グーグルマップ