重要なキーワード:リスクオンとリスクオフ
リスクオンの動き、リスクオフの動きという言葉は、最近の為替相場や証券市場の中で頻繁に登場してきます。このリスクオンとリスクオフを分かっていないと相場の動きが分からなくなるほど重要な言葉です。
リスクオンとリスクオフの意味
●リスクオン:リスクをとってリターンを追求する動きです。=リスク志向(リスク選好)
●リスクオフ:リスクのある投資先から資金を回収するという動きになります。=リスク回避志向
最近の為替市場は、サブプライム~リーマンショック~ソブリン危機に至るまで、リスクを取る動きが出てくるかどうかで動くことがトレンドになっています。
リスクオンとリスクオフでどう動く
為替市場は、リスクオンのときにユーロ、ポンド、豪ドル、NZドルや新興国通貨が買われ、ドルや円が売られます。
リスクオフのときは逆にドルや円が買われる動きになります。
通貨以外ではコモディティ(商品)や株式もリスク投資先となりますので、リスクオンの時に買われやすくなります。
なぜ、リスクオンオフで動く
世界的中の投資家は、金利が低く、金融資本市場が大きく、資金調達を行いやすい円やドルを基本として投資などの活動を行います。
株価上昇・景気好調な状況では、より高いリターンを求めて投資を行いますので、円やドルが売られて新興国や資源国通貨が買われます。=リスクオンの状態。
ところが、リスクオフの動きが出てくると、リスク回避のために投資した資金を手元に戻したり為替ヘッジを行います。そのため、米ドルや円が買われることになります。
日本の景気が良くなると円高、日本の景気が悪いと円安になると考えがちですが日本経済は外国需要に頼る面が大きいため、日本経済が好調=世界経済が好調のことがほとんどです。
そのような局面では、投資家や企業は、リスクオンに動くため円が売られることになります。
金融緩和とリスクオン
世界的な金融緩和の流れの中で、お金の供給量は増えています。そして、世界経済が全体的に低調になっているため、資金が安全で利益の出る投資先を求めて駆け巡っています。
この余ったお金は、流動性が高いことから、自由に動き回りますので、リスクに敏感です。基本的にリスクオンの時には、利益が出る投資先にお金を向けますし、リスクオフのなると、すぐにその投資先から逃げだして安全資産の方に向かいます。
そのため、リスクオンとリスクオフのどちらに流れが振れるかで、為替相場や株式相場が大きく動くのです。