投信で設定されている「為替ヘッジ」の意味とあるなしの違い
海外の株式や債券に投資を行う投資信託を検討する時に、為替ヘッジという言葉がでてきます。海外投資には、重要なポイントとなる為替ヘッジあり・為替ヘッジなしの意味と違い(メリット・デメリット)をご紹介します。
為替ヘッジで為替リスクをコントロールできます。
為替ヘッジとは
為替ヘッジは、海外の資産で運用を行う時に、為替変動リスクを回避するための方法です。
日本国内で「日本円」で資産運用する場合は、為替変動を考える必要がありませんが、海外で運用すると為替相場の変動で利益が出たり損失が発生したりします。
このように、最近の為替相場は、円高ドル安が続きましたので、米国の株式に投資した場合、投資した株式が値上がりをしても円高になったために為替で損失をだしている場合があります。
●ドル/円相場の月足:1994年~2011年6月
為替相場変動による差損益の例(単純化)
1ドル=100円の時に、アメリカで「1ドルの株式」を買って、1年後に1.1ドルと10%上昇しましたので売りました。
1.1ドル100円で変化なし: 1.1ドルは110円です。
2.1ドル80円と円高ドル安:1.1×80=88円です。
3.1ドル120円と円安ドル高:1.1×120=132円です。
「2」のケースでは、せっかく投資した株が上昇したのに、投資したお金の100円が88円と12円も損してしまいました。
「3」のケースでは、投資した株が上昇し、さらに為替差益を得て、100円が132円と32円も儲かりました。
これが、為替変動による為替差損益で、儲かる時もあれば損する時もあります。
為替ヘッジの目的
上記のように、為替変動による為替リスクは、利益・損失、どちらになるか分かりません。そこで、投資した資産が為替相場の変動に影響を受けないようにヘッジ(回避)することが為替ヘッジの目的です。
海外株や債券の見通しが明るく収益が期待できるが、為替相場の変動の影響を受けたくないと考える方が為替ヘッジを利用します。
為替ヘッジのあり・なしの違い
海外の株式や債券に投資する投資信託を購入する場合、為替ヘッジの「あり」、「なし」を選ぶことがポイントの一つです。
特に、株式や債券への投資を考えるときは、「為替による損失は避けたい」考える人が多いため、為替ヘッジありの外国投資信託の人気は高めです。
ただし、「為替ヘッジ」を行うとコストがかかります。この費用は投信の購入者が別途、直接的に支払うものではなく、信託財産から差し引かれます。
為替ヘッジコストは、一般的に金利が高く、流動性の低い通貨は高くなり、米ドルなど金利が低く流動性の高い通貨は安くなります。
table {
border-collapse: collapse;
}
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}
td {
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background-color: #ffffff;
}
thead th {
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}
為替ヘッジなし | 為替ヘッジあり | |
---|---|---|
為替相場の影響 | あり | なし |
為替差損益 | 発生 | 発生しない |
ヘッジコスト | かからない | かかる |
また、一部の投資信託は、完全に為替ヘッジを行うのではなく、状況に応じてヘッジを行うこともありますので、購入時に確認を行ってください。
為替ヘッジありとなしのメリット
為替ヘッジありのメリットとデメリット
・為替変動リスクを気にしなくて良い
・為替変動で損失をしないが、為替差益を得られない
・為替ヘッジコストのために収益が少し低くなる
為替ヘッジなしのメリットとデメリット
・為替変動リスクを気にする必要がある。
・為替差益を得る可能性がある(損失の可能性もあり!)
・為替ヘッジコストがかからない
為替リスクを取りたくない方は、為替ヘッジありを、海外投資の醍醐味は為替変動があることだと為替リスクを好んで取る方は、為替ヘッジなしを選ぶことになります。