国が発行する債券が国債です。個人向けも人気
その国で最も安全な資産が国債です。金利は低いのですが、元本割れの恐れも低く安全性の高い資産です。あなたが銀行に預けた預金も国債に投資されています。
もっとも、欧州危機においては、国債の信用がゆらぎ格付けの引き下げが起きています。
国債とは何でしょうか?
国家(政府)は、国民から税金を集めることで様々な活動を行います。
しかし、税金の収入だけではやり繰りができないことから国が債券を発行し投資家に購入してもらうことで資金を集めます。
国が発行・支払を行うため、債券の中で最も信用力が高く、また市場での流通量も多いことから、換金性に優れており、投資しやすいことが特徴です。
日本政府が発行する日本国債は、英語では「JGB:Japanese Government Bond」と呼ばれています。国債は、世界各国で発行されており、利率は、自国の金融情勢や信用力(格付け)などによって決まるため、国によって大きく異なります。
先進国で経済の安定した国は利率が低くても高い安全性で資金を集められることから国債の利率は低めとなり不安定な国程、利率が高くなる傾向があります。
また、国債は、世界中の金融機関・機関投資家やファンドなどが投資をおこなう上で、有力な運用対象となっています。
利付国債と割引国債
日本政府が発行する日本国債には、その利払い方式によって、「利付国債」と「割引国債」に分けられます。
利付債:半年ごとに利息が支払われ、償還時に元本の額面全額が償還されます。
割引債:利払いがなく、額面を下回る価格で発行され、満期に額面全額が償還されます。
債券に支払われる利息のことをクーポンと呼ぶことからゼロクーポン債とも呼ばれます。
つまり、額面100円の債券を90円で購入すると10円の利益となります。この利益が利子の代わりで償還期間が10年の場合で1年に1円の利益が得られることになります。
その名の通り、個人向けの国債「個人向け国債」
その1:1万円から購入可能!
個人向け国債は1万円から購入できるのでとても手軽です。
その2:中途換金も可能!
個人向け国債の特色は何といっても中途解約でも元本が保証される点です。 これは国が国債の安定化を目指すことと、個人が利回りの良い、安定した金融商品を欲したことにより実現したのです。
その3:価格変動リスクもなく、最低利回り保証もついている
国債には、半年ごとに金利の変動する「変動タイプ」、金利の変動しない「固定タイプ」がありますが、どちらも中途換金の際に政府が額面で買い取ってくれるため、価格変動リスクがなくなります。
また、年率0.05%の最低金利保証が設定されています。
既存の国債と個人向け国債の最も大きな違いは、個人向け国債が「非市場性国債である」というところです。
個人向け国債は、市場では売買することができず、一定期間が過ぎた後は政府が額面で買い取ってくれます。
既存の国債の売却は、発行後いつでも可能ですが、そのときの金利情勢によって左右されてしまい、非常に不確定なものとなっています。しかし個人向け国債では政府が額面で買い取ってくれることにより、そういった不確実性を排除できたのが特徴です。
国債の購入について
◆国債の購入場所と募集及び発行
国債は、証券会社、銀行等の金融機関や郵便局などで購入できます。
個人向け国債のうち変動金利10年及び固定金利5年は年4回募集が行われ翌月に発行されます。
(募集:3、6、9、12月、発行:4,7,10,1月の各15日)、
個人向け国債のうち固定3年及び新窓販国債は毎月募集・発行されます。
(今後の「個人向け国債」の発行スケジュールはこちら、「新窓販国債」の発行スケジュールはこちらをご覧下さい)。
国債は募集期間(発行日以前の一定期間)に購入申し込みが可能です。
平成22年5月6日時点で個人向け国債は1104行の金融機関で取扱いが行われています。
国債購入時の手続き
初めて国債を購入するときは、証券会社、銀行等の金融機関に国債専用の口座を開設します。金融機関に初めて口座を開設するときは、運転免許証、健康保険証など本人確認ができるもの、印鑑等が、また国債を購入する場合には、購入代金、預金通帳、印鑑等が必要になります。詳しくは金融機関等に問い合わせましょう。
国債の種類について
主な利付国債
・中期国債(固定利付国債):2年、5年
・中期国債(固定型個人向け国債):3年、5年
・長期国債(固定利付国債):10年
・長期国債(変動型個人向け国債):10年
・長期国債(物価連動国債):10年
・超長期国債(変動利付国債):15年
・超長期国債(固定利付国債):20年、30年、40年
主な割引国債
・割引短期国債(国庫短期証券):2カ月、3カ月、6カ月、1年