日本はロボット化するからこそ買い:デニス・ガートマン氏の考え
少子高齢化に悩まされる日本において、ロボット化により日本の株式はリターンが見込めると考えている人物もいます。
ガートマン・レターという株・国債・商品・為替に関するニュースを出している「デニス・ガートマン」氏。コモディティキングと呼ばれることもあります。
デニス・ガートマン氏:日本はロボット化する
CNBCのインタビューに応えて、ロボット化による長期的な日本株上昇を予想。
ガートマン氏は、日本の人口動態、少子高齢化こそがチャンスであると説明しています。
- 日本は人口動態が悪化して、全てをロボット化するしか方法がない
- ロボットは、休暇も通院も必要としないために、日本のPERは拡大するだろう
- 日本株のPERは、22倍から25~27倍まで伸びる
- 日本のバランスシートは改善している
日本の人口動態
●1960年
ここでは、老年層は少なく、多数の労働人口が存在。
●2015年
●2025年
出典:「日本の将来推計人口(平成24年1月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所)
2015年・2025年ともに、65歳以上の人口が大きく増加。
日本の高齢化率は26.7%とすでに4人に一人レベルを超えています。
この解決策は二つ。
1.移民の導入
ドイツが移民を導入したのも労働力の確保が大きい。日本も、不足する若年労働者を補うために、移民を導入する方法があります。
幸い、中国・東南アジアには、膨大な人口がおり、移民歓迎策を取れば、来日したい層は一定数存在すると思います。
では、日本は移民を導入する政策を実施する可能性があるのでしょうか。前述のデニス・ガートマン氏は、日本は絶対に移民を受け入れないと言います。
確かに私もそう思います。その理由は、言語・文化・宗教が違いすぎるという点。日本で通用する言語はほとんど日本語、文化も中国・東南アジアと異なります。
少数の移民ならまだしも政府が検討している毎年20万人の移民を受け入れるというのは難しい。
内閣府の試算がどんな内容だったかを、ご紹介しよう。2015年から毎年20万人ずつ受け入れ、2030年以降には合計特殊出生率が「2・07」に回復していることを前提としている。かなり高めの設定だが、この2条件を達成すれば、日本の総人口は2060年に1億989万人、2110年には1億1404万人となり、ほぼ1億1千万人水準を維持できるというシナリオだ。IRONNA
基礎的な能力や適性を無視した数字合わせしかしない考え方で移民を受け入れて上手くいくはずがありません。米国における白人と黒人の間にある溝、EUで起きている移民問題を見れば、安易な移民政策が失敗しやすいことは分かるでしょう。
私も、外国人の多い居住地域に住んでいますが、市役所では、日夜、外国人労働者と役所の職員間で身振り手振りの説明が繰り広げられています。様々な申請・社会保険や補助金・支援金などお金に関するトラブルは頻繁に起きています。
移民たちも文化の違いに苦労するでしょう。上手く順調なレールに乗れれば、まだしも、一旦、レールを踏み外せば、頼りになる人もいず、言葉も満足に通じない、お金もない人への救済はできるのでしょうか。
2.ロボットの導入
減る労働力を確保するもう一つの手段がロボットの導入。移民が難しければ、こちらの手段があります。2017年現在は、まだまだロボットの活躍場面は限られています。
しかし、いずれは、介護・接客・警備・販売などは、ロボットが行うようになるでしょう。すでに、セブンイレブンなどのコンビニ・飲食関係は人不足が深刻になりつつあります。
そして、ガートマン氏が言うように、ロボットは休暇も通院も必要としません。
さらに、日本がロボット導入に成功すれば、少子高齢化を迎える国のアドバンテージになりますから。ロボット自身そしてノウハウを他国に輸出することで、お金(外貨)を稼げるようになります。
そうなると、株式も上昇していくでしょう。
どの会社がロボット導入で成功するのか、日本の未来を明るく考えてみるのもまた楽しいと思います。