金融庁は2階建てハイリスク投信への監視強化:株や債券に為替やオプションを組み合わせた金融商品

今回、金融庁が問題にしたのは、2階建て・3階建てのハイリスク投信。その投信が持つリスクを理解しないまま勧誘・購入させえちる事例があっては困るとの考えから監視強化に動く模様。

投資信託は、株式や債券に投資するのが一般的。投資信託会社が購入し得た配当や売買利益を投資家に分配するのが基本。

2階建て・3階建てのハイリスク投信とは:通貨選択型やオプションの組み合わせ

ハイリスク投信は、デリバティブを組み合わせることで、表面上の利率を高めたりすることが特徴。リターンが大きくなる可能性もありますがリスクも大きい!

  • 普通の投信は、株式や債券などへ投資(1階部分)
  • 為替変動リスクや高金利通貨への投資(2階建て) :通貨選択型
  • コールやプットオプション(3階建て)

3階建てのハイリスク投信

日本株や米国株・社債などをトルコリラや豪ドルなど高金利通貨と組み合わせてハイリスク投信に作り上げる例が多数。

ブラジルレアルやトルコリラ建てになると、リターン大リスク大になってしまい、お金の余裕と資産運用の知識がある人がリスクを承知で購入する分には構わないが、そうでない人にまで販売している可能性があるため金融庁は監視の目を強ることにしました。

ブルームバーグの取材に応えた金融庁の遠藤俊英氏によると、ハイリスク投信の販売は、本人が納得していても【問題がある】場合があると指摘。

同庁の遠藤俊英監督局長がブルームバーグの取材に答えた。経験の浅い個人投資家や高齢者などへの過度な高リスク商品の販売は、本人が納得していた場合でも「問題がある」などと指摘。ハイリスク投信:ブルームバーグ

遠藤氏は、2階建てのハイリスク投信について幾つかの問題点を指摘

  • 長期投資の精神と両立しない
  • 毎月分配型は、運用が悪くても配当して元本が減るリスクがあるが説明不足を懸念
  • 2階建て投信は手数料が高い例が多い
  • 仕組みも説明も複雑で理解しづらく手数料目的の可能性がある
  • 金融庁が規範を作るのではなく、金融機関が自ら規範を作ってほしい

世界的に金利が低下していること。日本はそれ以前から低金利が続き、満足な利回りを得られる金融商品が無く、顧客側からの高い配当や利率を望む声も強かったことが背景にあります。

特に、毎月分配型投信は、人気が高く、金融機関の常として、他社で人気の出ている投信を自社で売らない=成績悪化になるため、横並びで規制をしない限り、販売が止まる可能性は低いでしょう。

投信評価会社モーニングスターによると、2階建て以上の毎月分配型投信は6月末で約640本。合計残高は約11兆円と毎月分配型の3割近くを占める。急増の背景には金融危機後の世界的な金利低下がある。先進国債券を中心とする従来の運用手法では高分配を維持できなくなったが、「なお高い毎月分配を望む人が多かったため対応商品が生まれた」マネー研究所

2階建て以上の毎月分配型投信の合計残高は11兆円!これらの金融商品は、特殊な証券会社だけでなく、野村証券や三菱東京UFJ証券などでも販売しています。

二つ程ハイリスク投信の例を挙げておきます。

野村証券の通貨選択型日本株投信。年2回分配型ですが、米ドル売りロシアルーブル買いを行う商品設計

通常の状況において、外国投資信託への投資比率は概ね90%以上を目処とする。原則として円を売り米ドルを買う為替取引、および米ドルを売りロシアルーブルを買う為替取引を行なう。年2回分配を行う

野村通貨選択日本株投信(ロシアルーブルコース)年2回決算型

アムンディ・欧州ハイ・イールド債券ファンド(トルコリラコース)。債券への投資=1階建てに加えて二階建てとして為替取引を行うハイリスク投信の一つ。

各コースにより、為替取引が異なります。米ドルコース、豪ドルコース、ブラジルレアルコース、資源国通貨コース、メキシコペソコースおよびトルコリラコースでは、ユーロ売り/取引対象通貨買いの為替取引を行います。アムンディ社

お金を貯めるという目的より、完全に投資のための金融商品と割り切らなければいけないのが、こういったハイリスク投信。

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