ふるさと納税の高額返礼品による問題点:還元率50%超も当たり前で競争過熱中!

平成20年度に創設されたふるさと納税。特に平成26年度(2014年度)から急激に金額が上昇しています。

前年度の約145億円から約389億円に上昇。さらに2015年度は上半期だけで約453億円と大幅増加!

ふるさと納税の増加

出典:ふるさと納税現況調査 画像クリックで拡大。

ふるさと納税がヒットした理由は高額な返礼品!

税額が大幅に増えた理由は、地方の特産品を中心に貰える返礼品のおかげでしょう。総務省のふるさと納税現況調査でも受入れ団体の回答は以下の通り

    • 返礼品の充実:732団体:41%
    • 収納環境整備:287団体:16%
    • ふるさと納税の普及・定着:262団体:15%
    • 広報の充実:234団体:13%
    • 震災・災害への支援:102団体:6%
    • 使途・事業内容の充実:68団体:4%

住民税・所得税で税額控除を受けられるメリットもありますし、返礼品の充実によって、ふるさと納税ブームが巻き起こったと言えるでしょう。当然、地方自治体の間で高額かつ人気のある返礼品を用意した方が納税競争に勝てるとばかりに高額返礼品競争が激化。

ふるさと納税で人気の返礼品は、牛肉・豚肉など地方の特産品や温泉旅行!

温泉

総務省が警告を出す事態に。コンセプトは良くても、大多数の人は経済的利益で動きます。お金が節約・得する方向にしか動きません。衣食足りて礼節を知るという言葉が良く引き合いに出されるように、余裕があってこそ善行を積めるのが人の性。

理念を見ると、地方自治体間の競争を総務省は歓迎しています。もっともどこまで加熱するかを想定していたかは分かりません。

  • 第一に、納税者が寄附先を選択する制度であり、選択するからこそ、その使われ方を考えるきっかけとなる制度であること。
    それは、税に対する意識が高まり、納税の大切さを自分ごととしてとらえる貴重な機会になります。
  • 第二に、生まれ故郷はもちろん、お世話になった地域に、これから応援したい地域へも力になれる制度であること。
    それは、人を育て、自然を守る、地方の環境を育む支援になります。
  • 第三に、自治体が国民に取組をアピールすることでふるさと納税を呼びかけ、自治体間の競争が進むこと。
    それは、選んでもらうに相応しい、地域のあり方をあらためて考えるきっかけへとつながります。

ふるさと納税の理念:総務省ポータルサイト

2016年の還元率ランキングトップを調べると、何と還元率160%という税金として本末転倒な事例が出てきました。還元率160%とは荒っぽい計算だと1万円を納税すると1万6千円分相当の黒豚セットが貰える!

これっていいの?全国の自治体が同じことを始めたらどうするの?と考えちゃいますね。

還元率ランキング1位は、宮崎県都城市の「都城産豚・Mの国黒豚4kgセット」になります。

還元率は、【 160% 】になります!100%を超えているというだけでびっくりですね。

ふるさと納税還元率ランキング2016年ベスト3を大発表!【最新版】

黒豚

ご興味のある方は、ふるさと納税の返礼品を調べられるサイト【ふるさとチョイス】で、どんなものがあるか調べて見てください。下記事例なども還元率は大ですねえ。

群馬県中之条町では、寄附金額が5,000円以上の方に、寄附金額の半額分の感謝券と特産品を進呈しています。

ふるさとチョイス

ふるさと納税の問題点

人気を集めるふるさと納税、ではどのような点が問題になっているのでしょうか。簡単にまとめてみましょう。

  • ふるさと納税をしている人としていない人で不公平になる:還元率が高ければ高い程、税金の不公平感が広がります。普通に納税するとお返しはなし。ところがふるさと納税は高額な返礼品あり。これではふるさと納税しない人は損になります。
  • 高額納税者有利:住民税・所得税の控除割合が増える高額納税者が有利。上手く返礼品割合の高い自治体を見つければ、かなりのお金が節税できます。
  • 返礼品納入業者:返礼品を生産する業者は、非常に美味しい取引になります。相手は地方自治体ですから、通常より取引しやすく優先してそちらに品を回すことに。言い換えれば地方自治体に選定された業者とされない業者間で格差が生じることになります。これは不正の温床にもなりかねません。
  • 税金による価格上昇:補助金とは違う形で地方自治体が品物を買い上げて納税者に配る。これは税金で補助金を出すことに近い形で、最終的に特産品の価格上昇に繋がります
  • 人気は返礼品次第:高額な返礼品をお礼につけた自治体に税金が集まる。ならばより高額な返礼品を用意しようと競争が激化。
  • 一部自治体有利も納税全体は減少:競争激化すると競争に勝った自治体にはたくさんお金が集まります。ところが返礼品の金額を引いた税金全体で見ると納税額は減少。

高額返礼品競争を止めるために

還元率50%や160%は、税制メリットやちょっとしたおまけを超えているレベルです。100%以上なんて資産運用・財テクの一環になるレベルです。

  • 納税額に対する還元率に制限
  • 生産者からの買取りに制限

せっかく定着してきたふるさと納税、ここで、問題点が多いから止めてしまうのはもったいない。羹(あつもの)にこりてなますを吹くにならないためにも、民間の新規ビジネスが競争・競争で過熱した時に行うように、制限を掛けるのが一番でしょう。

税金の公平性という考えから、ふるさと納税をしてもしなくてもお金のメリットはほとんどない形にしないといけません。高額返礼品競争よりも人の心を満足させたり地方との繋がりや体験重視の方向に地方自治体のアイデア・競争が広がるようにできれば何よりです。

このページの先頭へ