スティグリッツ教授は、日本政府に炭素税&政府債務の無効化を進言す!

グローバル化に警鐘を鳴らし続けている経済学者「ジョセフ・E・スティグリッツ」コロンビア大学教授を招いての国際金融経済分析会議が、2017年3月16日に開催されました。

安倍晋三首相の元で様々な分析が行われた結果をご紹介します。

元々、スティグリッツ教授は、グローバル化の弊害として、1%の上位が99%の下位から富(お金)を吸い上げる。不平等な格差社会に対し問題意識を持っていた方です。

なお、2016年3月(スティグリッツ教授)にも来日されており、政府と市場のバランスについて語っています。


現状の経済に関する診断

  • 今世紀は低成長
  • 成長は、上位層に偏り
  • いくつかの国は、下位90%の所得停滞
  • 米国は平均寿命すら低下
  • グローバル・改革・技術進歩は、約束を実現していない
  • 第二次大戦後のグローバルな地政学・経済地理学的秩序をひっくり返している
  • 衰退する中間層は、技術変化が原因でグローバリゼーションは一部の原因
  • 社会厚生の改善が望ましい。
  • 目的はGDPの最大化ではない。
  • 適切な労働に適切な賃金を支払う
  • 過去四半正規の変化・改革は厚生の低下をもたらした

スティグリッツ教授は、市場は万能ではなく、政府の介入が必要と主張。技術革新とグローバル化によって、不平等が拡大。お金や技術を持つ者が富を得ていく社会に疑念を持っています。

経済の再構築が必要

  • サービス業を中心に発展していくだろう
  • 教育・健康医療・他の公的サービス
  • 上記サービスについて、高い評価・賃金・十分な雇用の創出に成功すれば、所得格差拡大も限定できる
  • 市場は独力で変化できない
  • 製造業への回帰はできない
  • 生産を回復できても雇用は回復しない:資本集約型になる

日本: 21世紀型産業

  • 時間当たり生産性の成長不足
  • 地球温暖化、人口高齢化
  • 過去の日本の産業政策は上手く働いた

市場での所得分配の是正

  • ゲームのルールは、変更が必要
  • 技術革新は超過利潤を有無
  • 金融セクターに本来の仕事をさせるべき
  • 労働者の交渉力を強化
  • 中小企業への資金供給を確保
  • 失業率を引き下げる経済運営
  • 最低賃金の引き上げ
  • 公共部門の賃金をアップさせて経済全体の賃上げへ
  • 公教育:ユニバーサルアクセスを含む
  • 遺産税

課税後の所得分配における平等性

  • 企業や個人がきちんと納税(脱税不可)
  • グローバルな法人税の最低税率
  • 移転価格税制の濫用を終わらせる
  • 勤労所得税額控除
  • 金融セクターの行き過ぎや不安定性防止

社会保険

  • グローバリズムと技術革新に対して、確かな保護
  • 市場はリスクに対して不十分な保険しか提供できない

マクロ経済のパフォーマンス

  • 総需要の欠如は世界的な問題
  • 不平等拡大⇒高所得者は、所得の一部しか消費しない
  • 不安の拡大⇒グローバリゼーションと社会保険の削減が理由
  • 金融政策はほぼ限界。日本のも良くできているが経済を刺激できる余地は少ない

債務と税金のジレンマ

  • 日本の政府債務には懸念あり。
  • 金利が上昇すれば、政府は問題に直面
  • 政府債務低下のために、消費税率アップは逆効果
  • 炭素税・歳入増加・経済活性化を実施
  • 政府(日銀)が保有する政府債務を無効にする
  • 債務を永久債あるいは長期債に組み換え
  • 政府が直面する金利上昇リスクを移転
  • 債務組み換えにはほとんどお金がかからない

実現性と税収増加に繋がるかは別にして、政府債務を無効にするというのは過激な政策に見える。いよいよ、公的な会議の場で、政府が永久債や政府債務向こうの話を始めたのだなと危惧するところ。

このところ、世界にはびこる需要不足を解消するために政府の財政政策が必要だとの議論が起きている。そのためのお金はどこから出すか?

その答えが、永久国債だったりインフレだったりするのです。永久債だと利子だけ払い続ければ、元本は返済しなくてもOK。でも、発行額がどんどん増えていくのでは・・・それは大きなリスクの一つになります。

それに、現在の国債を元本が償還されない、永久債に変更する人はいるのでしょうか。医療の進歩で寿命が伸び、不老不死に近づけば、元本より利息を欲しいと永久債を欲しがる人がいそうです。

  1. 永久国債のメリット・デメリット
  2. シムズ論:インフレでお金の価値が減る

増税に関して

  • 累進的な税制であるほど、経済はより良い成果を上げる
  • 不平等の少ない経済は全体により良いパフォーマンスを示す(IMF)
  • レント・シーキングのインセンティブを減らす

民間企業などが政府や官僚組織へ働きかけ を行い、法制度や政治政策の変更を行なうことで、自らに都合よく規制を設定したり、 または都合よく規制の緩和をさせるなどして、超過利潤(レント)を得るための活動を指す 。wiki

グローバリゼーションに関して

  • 成長の利益は過大評価、分配の結果は過小評価
  • 米国の輸入急増は賃金低下と失業率上昇を伴う
  • 米政府によるTPP試算では、利益は小さく雇用は憂慮すべき。経済厚生への効果はマイナス
  • アメリカは世界秩序から後退
  • 政権は、メキシコと中国に焦点を当てている
  • 世界は日本のリーダーシップを必要としている

日本には多くのアドバンテージがある

  • 失業率と不平等は低水準
  • 労働力人口の減少や高齢者の不平等拡大というチャレンジに直面
  • 金融政策は限界で炭素税の導入が必要
  • 世界第二位の民主主義国家

内閣府:スティグリッツ教授

スティグリッツ教授、昨年も来日しているように、安倍政権の経済政策・思考に影響を与えている人物。特に国債にまつわる話は興味深い要素。

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