婚約指輪は工場育ちの人工ダイヤモンドが当たり前になる?

シリコンバレーで作る人工ダイヤモンドによる結婚・婚約指輪が、もう少しすれば、当たり前になるかもしれません。技術的な問題では、人工(合成)ダイヤモンドの美しさは天然と変わらずに作れます。価格・美しさで宝石の王様とも呼ばれる存在です。

人工ダイヤは、完璧な美を追及できる点において、天然ダイヤよりも上だと思います。ただ、天然ダイヤモンドは、欠けているからこそ映える美しさ・甲乙の乙的なな美しさを持っていることも確かですね。

そして、天然ダイヤモンドには、大きな問題が存在します。


ブラッド・ダイヤモンド:強制労働や紛争ダイヤの問題

レオナルド・ディカプリオ主演の映画「ブラッド・ダイヤモンド」をご存知でしょうか。ダイヤモンドが掘り出されるのは、アフリカの発展途上国や紛争地帯が中心。そこでは、強制労働・武器や独裁に使うお金のためにダイヤモンドが採掘されています。

ダイヤの価値を決める“4つのC”― color(色) cut(カット) clarity(透明度) carat(カラット) しかし、実は5つめのC<conflict(紛争)>が存在することを、あなたは知る― wiki

ITの発達で、情報が手軽に手に入るようになった現代。結婚・婚約という嬉しいイベントに使われるダイヤの背景に血塗られた現実があることを知れば、祝福の気持ちも失せてしまいます。これは、ダイヤだけの問題ではなくルビーやサファイヤといった他の宝石類にも通用する問題。

高値で売れる宝石で手に入るマネーを元に、紛争・内戦が生じているのです。国連は、1998年に紛争ダイヤモンド(シエラレオネ・コンゴなど)が、紛争の資金源になっていると指摘。

2001年にキンバリー・プロセス認証制度で、原産地証明書の添付を義務付けられました。

キンバリープロセスのそもそもの目的は、紛争ダイヤモンド原石の抑制です。つまり、そのダイヤモンドが児童労働や強制労働によって採掘またはカットされたものであっても、反政府軍が正当な政府を転覆させる紛争の資金源になっていなければ、キンバリープロセス認証を受け、公式ルートで輸出することができるのです。ピースダイヤモンド

しかし、このキンバリー・プロセスそのものが抜け穴だらけ。紛争の資金源になっていなければOKという緩い規約。アフリカの多くの政府にとって、ダイヤモンドをはじめとした鉱物資源は大事なメシのタネ。先進国のように、環境保護。労働者保護が守られている国はほとんどありません。

さて、このように、紛争ダイヤモンドの現実を知ってしまうと、ダイヤの指輪を購入・贈ることに、二の足を踏んでしまいます。とはいえ、結婚のシンボルとしての指輪にダイヤが欲しいという女心もあるでしょう。

ダイヤモンドの輝き

そこで、天然ではない、人工ダイヤモンドの登場です。

ブライアンドオロ:人工ダイヤの結婚・婚約指輪

フォーブスが選ぶ、30歳未満のリーダーに選ばれたバネッサ・ストーフェンマッカー(Vanessa Stofenmacher)さんは、サンフランシスコの研究所でダイヤを育てているダイヤモンド・ファウンドリーと提携して人工ダイヤモンドの指輪を販売しています。

ダイヤモンド大手デビアスの報告書では、2015年の天然ダイヤの市場規模は、790億ドル。人口ダイヤは、まだまだ統計に出てこないレベル。

若い消費者は、人口ダイヤに対して拒否感を持たないでしょう。バネッサさんも、天然ダイヤがロマンチックというのは古い考えだと言い、販売方法についても男性ではなく女性を重視した売り方を志向しています。

拒否感を持つのは、天然ダイヤの利権を持つ企業・加工や販売に携わる企業、そして、高価な天然ダイヤをすでに持っている人達です。

そして、人口ダイヤモンドの模造品として有名なのが、キュービックジルコニア。これは、二酸化ジルコニウムの結晶から作り出されたもので、いわゆるニセダイヤ。値段も輝きもダイヤモンドに劣ります。

バネッサ・ストーフェンマッカーさんの経営するブライアンドオロ(Vrai&Oro)で販売している人工ダイヤモンドは、約2,000ドル(約22万円)から。

ウェブサイトを見れば、お値段の割に、美しく立派なダイヤモンドです。さらに、指輪を買う前に、模造リングで試着することもできます。

宝石と同等の価値をもつものは化学的、物理的、光学的にも天然と同一またはそれ以上の性質を有する。合成宝石の台頭により、取引企業は市場を守るために、様々な対策を講じており、赤外線や紫外線、X線によるスペクトル分析で天然かが識別できる。デビアスが開発した分析装置では、蛍光紫外線を用いて含まれる窒素、ニッケルや他の金属の不純物を検出できるwiki合成ダイヤモンド

工業分野は、人工(合成)ダイヤモンドの市場が出来上がっています。宝石の分野に進出できるかどうかはこれからにかかっていますが、お金にシビアな現代において、天然ダイヤ以下の値段で提供できれば、市場シェアのかなりを占めることも可能になると思います。

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