OECDは、中国に金融リスク配慮と構造改革を進めることをアドバイス

OECD(経済協力開発機構)の発表したデータでは、中国の所得格差は大きく、富の再分配がほとんどないことが分かりました。ニュースサイト、「AXIOS」で、Christopher Matthews氏が執筆しています。

近年の中国の成長スピードは目覚ましく、世界第二位の経済国になり、いずれは、米国を抜くのではとも予想されています。

しかし、現在は、ゾンビ企業・シャドーバンキングなどの問題を抱えており、効率的なお金の使い方をしていません。

今後、中国は、社会保障と教育費を増やし、税負担を公平にしていかなければいません。しかし、改革については、富を不公平に分配していることで恩恵を受ける中国の既得権益層の抵抗にあっています。

●税金徴収後の所得格差変化 ジニ係数の変化率

ジニ係数

出典:AXIOS

中国は、所得から税金を引いても、ジニ係数がほとんど変化しません。税金が富(お金)の再分配をできていないということになります。

ジニ係数のランキング

OECDの報告書では、アンヘル・グリアOECD事務総長が今後の課題を語っています。

  • 中国のGDPは、2020年までに2010年の二倍に達する。
  • 投資から消費へと経済のバランスを変化させる
  • 企業負債・生産能力の過剰・住宅価格の高騰という3つのリスクを解決すること。

●名目GDPの推移:米ドル建て

名目GDPの推移

出典:世界経済のネタ帳

日本が横這いでいる間に、中国に追い抜かれてしまいました。これだけ、差が出れば、中国人顧客の爆買いやカネ余りも分かりますね。

ただし、問題も多く、OECDからの提言は、中国経済は、負債のレバレッジを減らし、環境に配慮すべき。という内容。

北京をはじめとした大都市の環境汚染、そして、大都市・地方都市を問わず、採算性の低い事業に大量の資金を投下して出来た過剰な在庫を解決しなければいけませんね。世界経済の伸び率が低迷しているため、中国の在庫を吸収する余地はありません。

金融リスクの高まりは著しく、2016年には対GDP比で170%と先進国で最も高い負債を抱える状態。

中国:金融リスクと構造改革を OECD

過剰債務問題を考える上ではまず現状把握が欠かせない。国際決済銀行(BIS)の統計で確認すると、非金融セクターの債務残高は昨年9月末に26.1兆ドル、内訳は[図表1]のようになっている。

ニッセイ基礎研究所

BISの統計だと、債務残高は26.1兆ドル! 非金融企業の債務残高は世界一。これがどのように調整されるのか見守っていきたいですね。

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