仕手相場・仕手筋とは相場を強引に動かす本尊

大量の資金で、自ら相場をつくり出す「仕手」が関わっている相場です。株式市場で名前のあがりやすい仕手ですが、商品先物市場などにも存在します。

普通、株価は、好業績や将来性への期待をもとに株価が上昇します。ただし、それも好業績を期待した買い手が多いことで上昇するわけで、需給バランスで需要が多い状態です。

仕手相場と仕手戦

業績にかかわらず、資金の豊富な仕手筋が買い上げていくと、実際に株価が上昇していきます。ただし、こういう仕手相場で仕掛けられる株は、元々、業績や経営内容に問題があります。

そこに、仕手の資金が入って株価が上昇していくと企業業績がかけ離れていき、異常な相場が作り出されます。

仕手相場ではまた、信用取引で仕手が売り方と買い方に分かれて攻防戦が行われていることもあります。いわゆる「仕手戦」と呼ばれ、仕手戦なると相場はますます加熱していきます。

仕手筋が仕手相場を作る目的

仕手筋が、仕手を行う目的とは何でしょうか? 一言で言うともちろん「お金儲け」です。

1. 株価の上昇に合わせて売り逃げて利益を得る。
一番、単純な方法で、仕手が安値で買った株が高くなったところで手放して利益を得ます。言うのはカンタンですが、価格を吊り上げる主体となった仕手が売るわけですので、相場が崩れてしまい、売るに売れない状態になる事もあります。

2. 大量の株を集めて、相手方に売り渡す
大量に株を集めて、それを必要とする相手に売ることを目的とします。その相手は、当該会社のケースや別の仕手筋・その株式(会社)の買占めを狙う別会社のケースもあります。

3. 株主となり、要求を行う
株を買い集めて株主となり、相手の会社に何らかの要求を突き付けて利益確保を狙います。

4. 株価を上昇させて、金融機関から融資を受ける。
株式は、不動産などと同じく担保として融資をうけることができます。証券金融・証券担保ローンとよびます。その際の融資額は、株価×●掛けというように、株価を基準に設定されますので、当然、高値の株の方が、融資額が大きくなるわけです。

4つの目的を上げましたが、仕手筋はこのような目的で仕手を行うのです。
近年、外資系ファンドなどで、安値で株を買い占めて経営権を握り、企業改革を成し遂げた後に、高値で売り出す方式が、市場を賑わすことがありますが、これは仕手とは呼びません。

仕手の目的はお金儲け

仕手株の特徴

仕手筋に狙われやすい株には、特徴があり、1株100円以下の安値株で業績があまり良くなく、それなりの歴史がある会社が中心です。

これは、仕手筋になって考えてみると分かることですが、高値で業績好調で社会の花形になっている企業の株を大量に買い占める・価格を吊り上げるのは大変です。

一方、株価が安く市場から忘れられている株を安値で買い付けていく方が、資金も少なくて済みますし、株価を上げていくのも簡単です。

株価が上がると、そのうち、上昇相場を見て買いに入ってくる人(提灯筋)が現れてきます。

仕手株に手を出す

このように仕手株は、業績好調などの理由がなく株価が上昇し、仕手筋が売りに回れば暴落する株です。

上手く仕手筋の先読みをして立ち回れれば儲けることができるかもしれません。

しかし、まったくの他人にそんな美味しい情報を回してくれる親切な仕手筋はいません。

市場には、仕手株で利益を得た。仕手筋からの確かな情報があるとして、売買を勧める例がたくさんあります。株式投資を初めて間もない頃に仕手相場の誘惑があってもできるだけ手を出さないかごく少額にしておきましょう。

余程の株投資のベテランでなければ、手を出さないことです。

仕手相場の例として、「吉野ダラー」や「ハント兄弟の銀相場」などがあります。

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