48年ぶりの日本開催IMF・世界銀行年次総会の指摘

48年ぶりに日本開催となったIMF(国際通貨基金)・世界銀行年次総会は2012年10月9日~14日まで開かれます。

各国の要人が集まる年次総会では、世界経済の現状と行方について様々な講演や議論が行われ、今後の経済運営についての意見交換を行う重要な会議です。

今回の年次総会では、世界経済の不安定要因について意見や指摘が飛び交うことが予想できます。すでにIMFのチーフエコノミスト「ブランシャール局長」は、以下のような発言をしています。

・世界景気の回復は続いているが、回復の動きは一段と弱まっている。
・先進国では二つの要因が成長を引き下げている。財政健全化といまだに弱い金融システムだ。

世界銀行が発表した世界の失業者、失業と格差の問題


IMF(国際通貨基金)の年次総会とは

年次総会には、各国の中央銀行総裁、財務・開発大臣、民間部門の幹部、市民社会、学界の代表などが一堂に会し、世界経済の見通し、国際金融の安定性、貧困削減、雇用と成長、経済開発、援助効果の向上といった世界的な問題について協議します。出典:IMF

IMFと世界銀行の役割

国際通貨基金(IMF)と世界銀行は、国連システムの中の姉妹機関です。両者は加盟国の生活水準の向上という共通の目標を掲げています。その目標達成へ向けた両者のアプローチは相互補完的で、IMFがマクロ経済の課題に注力する一方、世界銀行は長期的な経済開発と貧困削減に主眼を置いています。

IMFと世界銀行は1944年7月米国ニューハンプシャー州ブレトンウッズで開催された国際会議で設立が決定されました。出典:IMF

IMFからのメッセージ

9日に開幕した年次総会から、発信された主なメッセージです。

・財政健全化を急ぎすぎてはいけない。
・主要国の財政について「脆弱性はなお高い」
・緩やかなペースでの財政調整がより望ましく、景気への配慮が必要。
・緊縮財政を急ぐのではなく、各国の事情に合わせて緩急をつけること。
・米国の「財政の崖」回避:年末以降の大型減税執行や歳出削減が危険で、近年、まれに見る財政緊縮になり得る。
・緩和的な金融政策の持続が必要。
・金融緩和政策は、特に途上国にインフレを起こしやすく問題もある。
・日本は、ポリティカル・グリッドロック(政治的行き詰まり)が起きている。
・日本は、一歩進んだ金融政策に加えて、成長を促す構造改革が不可欠
・日本は中長期的に再増税を含めた財政処置が必要

IMFの世界各国の成長率見通し

国・地域

2012

2013

世界

3.3%

3.6%

米国

2.2%

2.1%

日本

2.2%

1.2%

ユーロ圏

-0.4%

0.2%

中国

7.8%

8.2%

ブラジル

1.5%

4.0%

日本の2013年の経済成長率の低さは・・・ブラジルや中国に比べて低すぎます。

その原因として、輸出品に対する需要鈍化や中国経済の減速を理由としており、IMFは、日本経済は2012年に比較的力強い成長を遂げた後、2013年は成長が鈍化すると予測しています。2011年に起きた東日本大震災やタイの大洪水からの復興による一時的要因が、そうした動きにつながるとみています。

日本の政府債務残高:GDP比の推移

政府総債務残高(対GDP比)の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

日本の政府債務は、2000年頃から急激に増えています。税収は増えないどころか減少傾向でありながら、支出は増え続けているからです。

ただ、金利が低いこと・国内で国債が消化できていることから、ギリシャやスペインと異なり、今日明日に問題が起きることはありません。

中長期的には、増税やインフレ・円安などで解消に向かわないと危険です。

ポリシーミックスと為替相場

今後の日本の増税スケジュール

IMFとグローバル問題、ジョセフ・E・スティグリッツ

IMFには画一的なグローバル化に対しての批判の声もあります。

WTO、IMF、そして世界銀行―世界経済の安定と、発展途上国の援助を使命とするこれら国際経済機関が介入した地域に何が起こったか?

東アジア、ロシア、東欧、アルゼンチン、そしてアフリカ諸国は、すべてさらなる経済的困窮へとおちいってしまったのだ。

一体それはなぜか?そうした機関が押しつけた貿易の自由化や民営化で、利益を得たのは誰だったのか? 2001年ノーベル賞経済学者が、大国のダブル・スタンダードに左右されたグローバリズムの怖さを訴える衝撃の書。

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