お金の価値を下げる通貨安競争(戦争)で自国経済を成長させる

通貨安競争(つうかやすきょうそう)とは、自国のお金(通貨)の価値を下げる競争です。

日本の場合は、日本円を他国の通貨に対して円安にするということ、米国の場合は、米ドルを他国の通貨に対してドル安にすることです。

なぜ、世界各国で通貨の価値を下げているか?

通貨安競争の意味

通貨価値を下げると、価格が安くなるため輸出が増え、自国の経済が良くなるからです。

世界の工場は、米国~日本~中国と変化していますが、多くの国々は、自国の商品やサービスを他国に輸出することで、自国景気を良くすることを重視しています。

アベノミクスを先取りした2012年の年末以降、為替市場が円安に動き日本企業の業績が回復しています。

日本は、自動車・精密機械などを世界各国に輸出しているので、円高になると輸出産業の利益が減って、不景気になるという話を聞く事が多いと思います。

ドル高円安の例

例:米国のパソコンを日本で売る

アメリカが1,000ドルのパソコンを日本で売るとします。

日本:パソコンの価格は1ドル=100円の場合、日本円で10万円です。

米国:パソコンの価格は、1,000ドルです。

ところが、1ドル=80円(ドル安円高)とドルの価値が下がるとパソコンの価格は日本円で8万円となります。

日本:パソコン価格は、日本円で8万円

米国:パソコンの価格は1,000ドルです。

ドル安円高になると、米国での価格は変わらず、日本では、10万円→8万円と2万円安くなりますので、そのパソコンを買う日本人は増え、パソコンを販売する企業は利益が出ます。

逆に、日本のパソコンは、アメリカで価格が上がりますので(10万円のパソコンが、1,000ドル→1,250ドル)売れにくくなります。

ドル安円高になると

アメリカの商品を安く輸入できる

日本でアメリカ製品が売れやすくなる

アメリカ企業が儲かり、アメリカの景気が良くなる

通貨を安くするということ

ただし、パソコンやハンドバッグなどの「モノ」の価格を下げるのは、比較的、簡単なのですが、通貨の場合、そう簡単に下げることができません。

なぜなら、通貨の価格とは、ある通貨とある通貨の交換レート(為替レート)だからです。

ドルの価格を下げるということは、他の通貨(日本円やユーロ)の価格を上げるということになります。

ドル/円やユーロ/ドルでドル安になると円高・ユーロ高

ドルだけが通貨安を望み、日本円やユーロが通貨高を望む場合は、話が丸く収まります。

ところが、「通貨安競争」とは、世界中の国が通貨の価値を下げたいと考えているため、 皆が自国の通貨を下げたいのです。

ちなみに主な通貨安の手段は、金融緩和です。

では、どこの通貨が上がっているのか?というと日本になります。

サブプライム問題~リーマンショック~ソブリン問題に至るまで、一貫してドル安円高傾向が続いています。

ドル/円、ユーロ/円月足(上田ハーローFXチャート)

ドル円、ユーロ円の月足チャート

ユーロ/ドル月足 (上田ハーローFXチャート)

ユーロドル月足

実質経済成長率の推移(1990~2012年)のグラフと時系列表を生成しました。(生成対象: 日本, アメリカ, ドイツ, イギリス)

経済成長率とは、GDPが前年比(または前四半期比)に対してでどの程度成長したかを指す。
経済成長率(%)=(当年のGDP – 前年のGDP) ÷ 前年のGDP × 100 実質GDPの変動を実質経済成長率と呼ぶ。
実質経済成長率の推移(1980~2012年) - 世界経済のネタ帳

通貨戦争:米フィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁

2013年1月11日、米国のフィラデルフィア地区連銀のブロッサー総裁が通貨戦争について言及しています。

多くの国が金融政策を使い自国通貨を防衛しようとしていると指摘し、こうした動きは「通貨戦争」の可能性を示す危険な兆候だと警告した。ロイター

 

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