生命保険の予定利率は運用して利益を出す利回りのこと

予定利率は、生命保険会社が契約者に約束する「運用利回り」です。

保険会社は、生命保険を契約した契約者から保険料を徴収し、万一の事態に対しての備えとするとともに、保険料として集めたお金を運用して利益を出します。

この保険料を運用して得た利益を契約者に対して支払います。

実際には、得られる予定の利益分、保険料を割り引いてくれます。これが、「予定利率」です。

予定利率と銀行利息の違い

そのため、この予定利率は高い方が有利です。

お宝保険とは

この予定利率は、お金を預かって運用した結果、生まれる利益ですので、株式が上昇し、債券の利率が高いなど運用利益を生みやすい市場環境程、高くなります。

近年の日本は、超低金利・株式市場の低迷と、資産を運用して生じる利益が少ない時代です。ところが、バブル崩壊以前の高度成長期は、資産運用で得られる利益が大きいことから、生命保険の予定利率も非常に高い商品がありました。

日本の金利推移

1980年代・90年代は、3.5%~6.00%といった水準で生命保険の予定利率が提供されており、その後、低金利時代の到来で予定利率が下がったことから、高い予定利率の保険を「お宝保険」と呼びます。

参考:現在は、利率が低く、「一時払定期年金保険の予定利率の改定について(JP かんぽ生命)」の予定利率は0.80%です。(2012年1月06日)

予定利率の逆ザヤ

生命保険の予定利率は、新規加入時に決定し、基本的に契約期間内は継続します。そのため、当初の予定利率と実際に運用して得た利回りの差は、「利差益」と呼ばれて保険会社の収益になります。

逆に、予定利率が高くて実際の運用利回りが低い場合は、「利差損」と呼ばれて保険会社の損失となります。

これが、予定利率の逆ザヤです。

バブル以前に高い予定利率で契約した生命保険に対して、超低金利政策が続いたことで、日本の生命保険会社は、逆ザヤが続き、1997年から2001年までに7社もの生保が破たんする状態に陥りました。

予定利率変更法

予定利率の逆ザヤ問題による生命保険会社の破たんが相次いだために、2003年8月に保険業法が改正されて、予定利率の変更が可能になりました。

この法律施行前は、会社が破たんしなければ、予定利率の引き下げができなかったのですが、法改正により政府に申請して承認を得れば、引下げが可能となりました。

予定利率引き下げの条件

変更は、簡単にできるものではなく、申請については、引き下げを行わないと保険業継続が困難な場合に限ります。

出典:生命保険文化センター

「保険業の継続が困難となる蓋然性がある場合」とは、保険業法の破綻の要件である保険業の継続が困難な状態には至っていないが、将来を見通して、契約条件の変更を行わなければ、他の経営改善努力を織込んでも保険業の継続が困難となることが合理的に予測できる場合をいいます。

生命保険会社は、破たんすれば、予定利率の引き下げを含む契約者に不利な事が起きる可能性が高まります。

そこで、その前に予定利率を引き下げることで、破たんを回避した方が、生命保険会社・契約者の双方にとって有利だろうということです。

予定利率の引き下げを行うということは、経営的に苦しいことをPRするようなものですから、最後の手段である事には変わりありません。

 

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